赫蜥蜴の閨
- 2008.
- 07.
- 11
- (Fri)
- 12:52
沙野風結子さんの小説です。イラストは奈良千春さんです。
こちらは、『蜘蛛の褥』『蛇淫の血・蛇恋の禊』のスピンオフ作品となっております。
『蛇恋の禊』のあとがきを読んで、すっかり、『蜘蛛の褥』の続編だと思いこんでいたら、違いましたね(^^;)
ま、タイトルが赫蜥蜴だと判明した時点で、あれ?とは思っていましたが。
どんなお話かと言いますと・・・
高柳商事大阪支社長の高柳光己は、英国人の血が混じる端麗な容姿に美しい妻・・・と、誰もが羨む人生を歩んでいる。
しかし、会社のために自分を利用する社長の養父や、我が儘な妻に振り回され、光己は鬱屈した日々を重ねていた。
ある日、光己は妻の浮気をネタに熾津組の若頭、熾津臣に強請られ、陵辱されてしまう。
なぜか執着され、執拗に繰り返される行為に光己は理性を徐々に蝕まれていく。
だが、次第に奇妙な開放感と安らぎを感じるようになり・・・。
(『赫蜥蜴の閨』書籍カバーの内容紹介より引用しました)・・・というようなお話です。
※こちらの作品には、作中に登場した人物の、それぞれ別カップルによるリンク作品があります。
『蜘蛛の褥』『蛇淫の血
』→『蛇恋の禊
』
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- 赫蜥蜴の閨 (リンクスロマンス)
- 沙野風結子
- 幻冬舎 2008-06
- おすすめ平均
ダーク過ぎ・・・・
満足!
長所と最悪が混ざるシリーズ完結。
by G-Tools , 2008/07/11
母親に天国への道連れにされかけた男は母親を恨み蔑み、母親を天国への道連れに持って行かれた男も母親を恨み・・・。
自分の命を守り生きぬく事を選んだはずの光己は、全てを投げ出したいという気持ちを抱えながらも、壊れそうなのに壊れない男。
母親と義兄に裏切られて取り残された臣は、自分の命を縮めるように争い事を好んで生きていて、まるで、その時が来るのを待ち侘びているかのように生きている男。
なんというか・・・まるで背中合わせのような二人だなぁと思いました。
そして、なんとまあ切ない人たちなんでしょう(涙)
臣は、母親と義兄の仕打ちに拗ねちゃって、そのまま大人になってしまったような感じ?
臣が光己にぶつける感情は、理不尽でお門違いもいいところ。
光己は、自分に向けられる感情には心当たりが無い為なのか、理不尽だとは思いつつわりとクールに受け止めていて、その感情に対するストレスの矛先は、臣へは向かって行きません。
これじゃ臣も虐め甲斐が無いだろう!と思っていたら、臣は気が付きましたね。
暴行を加える者と受ける者という状況においても、感情は背中合わせのままで。
そのせいなのか、この二人の妙にドライな所がまた切なさを誘いました。
また、光己が、度重なる激しい暴行と「全てを投げ出したい」と思える状況の悪化で、暴行を受けながらも頭だけは冷え冷えとして行くのに、スパンキングで身体が目覚めて行くさまは、ここはニヤリとする所だろう!と思いつつも、何か憐れでなりませんでした。
この二人、相手の背中越しに気持ちを投げかける事はあったものの、いつになったら向かい合わせになれるんだろう?こんなに激しい暴行シーンの繰り返しで、気持ちの接点も少なくて、どうやってらぶらぶになるんだろう?と思いましたが、少しずつ少しずつらぶらぶに近づいていたんですねぇ。最後に意外なシーンで向かい合わせになりました。
臣を切捨てたかったのに切り捨てる事が出来なかった光己。
世の中から切り捨てて貰いたかったのに、光己の為に生きて行く事を選択させられた臣。
何とも皮肉な話ですよね。お互いに、自分よりも相手の事が大切に思えたんですから。
でも、それが愛だろ!という話ですよね。
裏切られるように仕向けたとは言え、裏切ったり裏切られたりして果たしてらぶらぶになれるのか?と思いましたが、心配は無用なほどお互いに対する想いは育っていたんですねぇ・・・。
しかも、円城凪斗組長の采配によるオトシマエにより収拾がついて良かったです。
すっごく残酷だとは思いましたけれど、やはり、命があってナンボですから。
エピローグの光己の引越しシーンで、臣がつぶやいた以下のセリフ・・・
「光ちゃんの本、実用書ばっかりやな」
「生き抜くのに必死やってんな」
うわっ、ヤラれた。ほんと、憎めない奴だわ。
光己は、心が強くて何があっても生き抜いて行けそうなんだけれども、意外にもウェットな臣に優しくされて癒されるんだろうな。
年上なのに甘えん坊な臣は、光己に惚れられて、どんどん引っ張って行ってもらうと良いよ!と思いました。
沙野風結子さんは、人間の複雑な感情をものすごく緻密に書かれる方だと思うのですが、読み終えてから「一体何がどうなってどうなったからこうなった?」みたいな事を整理しようとすると、いつもかなり時間がかかってしまうのですよ。
なのに、読んでいる最中は何の引っ掛かりも無くすんなり納得してしまえるんですよねぇ。
あんなに複雑で緻密なのに破綻していないからなんでしょうね。凄い。
(なのに、萌え優先と思われる単純な話の場合、あまりにも大雑把なのはなぜ?)
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愛は憎しみに背いて
- 2008.
- 07.
- 09
- (Wed)
- 11:37
中原一也さんの小説です。イラストは小山田あみさんです。
再会モノですかね?
小山田あみさんのイラストも良かった!ご馳走様(*^-^)
どんなお話かと言いますと・・・
かつての恋人・蘇芳忠利の勤める病院を相手取り、裁判を起こす事になった弁護士の陣乃彰之。
十年前、尊敬してやまない蘇芳と愛し合っていた陣乃は、ある事件がきっかけで、手酷く別れを告げられた。
情熱的に自分を求めてくれていた蘇芳の豹変に傷つき、陣乃は彼の前から去ったのだ。
蘇芳と再会した陣乃は、裁判から手を引くように迫られる。
陣乃の淫蕩な本性を再び暴こうとする蘇芳に憤りながらも、彼を忘れられずにいたことを実感するが・・・。
(『愛は憎しみに背いて』書籍カバーの内容紹介より引用しました)・・・というようなお話です。
剣道道場の先輩後輩カップル(当時、大学生×高校生)のお話でした。
一度は全てを蘇芳に捧げた陣乃でしたが、突然、蘇芳に手酷く捨てられ、強い憎しみを抱く事に。
その後、弁護士になった陣乃は、蘇芳が勤める病院を相手取り裁判を起こす事になり、再会を余儀なくされます。
蘇芳に対して、武士の「念契」というものに憧れた陣乃だけあって、その心酔ぶりは並々ならぬものがありました。
しかも、陣乃は相当なMですよね?陣乃のドMっぷりに脱帽。
そんな陣乃のせいで、蘇芳も嗜虐心をすっかり煽られてしまったご様子。
武士の「念契」は、何処へ行った?と言わんばかりの美味しい展開にニヤニヤしてしまいました。
しかも、そんなドMが、最後には、我慢できずに自分から襲っちゃうという、これもまた美味しい結末に。
そう言えば、男前淫乱襲い受けが書きたかったと、あとがきに書いておりましたが・・・確かに、陣乃は男前淫乱襲い受けかも?
だけどね・・・私の個人的な見解かもしれませんが、Mは、おねだりはしても襲ってはいかんと思うのですよ。
Mは「待て!」に堪えて与えられてこそじゃないの?とか思ったり。
そんなわけで、せっかくの男前淫乱襲い受けなのにドMだったので、ちょっとスッキリしなかったのでした(-_-;)
や、男前淫乱襲い受けもドMな受けも好物なので、それはそれなりに美味しくいただいた事はいただいちゃったんですけれども(;´▽`A``
ちなみに、中原作品の中で、私が好きな男前淫乱受けは、『限りなく危険な恋人』の新人巡査・恩田。
恩田が襲い受けになれば・・・( ̄▽ ̄)。o0○
久々に読み返してみたら、最後はちょっと襲い受けっぽかったな。
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愛しい鍵
- 2008.
- 07.
- 04
- (Fri)
- 13:37
黒崎あつしさんの小説です。イラストは街子マドカさんです。
こちらは、『優しい鎖』の続編で、シリーズの3作目となっています。
そして、こちらの『愛しい鍵』で完結のようですね。
すっかり忘れていたので、前作の感想をまとめるヒマも無く・・・いつものごとく、三作品まとめての感想です。
どんなお話かと言いますと・・・
小野瀬グループの跡継ぎ・明生は、ボディーガードで恋人の信矢と幸せな日々を過ごしつつも、信矢が時折垣間見せる不安定さをいぶかしんでいた。
しかし、親友・猛の助言と母親との再会をきっかけに、自分の心の矛盾点にも気づき始めてしまい――。
過去との決着をつけ、二人が本当の気持ちを確かめあえる日は来るのか!?
(『愛しい鍵』書籍カバーの内容紹介より引用しました)・・・というようなお話です。
▼これまでのお話
- 『甘い首輪』
- 小野瀬グループの跡継ぎ・明生の側にはいつも番犬がいる。番犬の名は高見信矢。明生のボディガードをしている。
明生が友人の猛に薬を飲まされたのをきっかけに、身体を重ねるようになったふたりだが、信矢は仕事の一環として相手をしているようで……。
そんなある日、明生が誘拐されてしまう。しかし何故か、誘拐犯は幼い頃に亡くした父親と同じ顔をしていて――!?
(『甘い首輪』書籍カバーの内容紹介より引用しました)- 『優しい鎖』
- 誘拐事件をきっかけに、主人と番犬という関係から恋人同士となったふたり。
だが、ベッド以外では主従関係を崩さない信矢の態度に明生は少々不満気味。
そんな明生の前に、7年前に父・光樹と信矢の叔父・真中が亡くなった爆発事故を調べているというライター・古屋が現れる。
真中の死の真相を知った明生は、そのことで信矢が自分から離れていくのではと不安になるが!?
(『優しい鎖』書籍カバーの内容紹介より引用しました)
ええと・・・こちらの『愛しい鍵』は、一作目から読まないと、楽しめないような気が。
そして、倫理的にちょっとキビシイ話も含まれており、トンデモ設定?それから、ほんのりサイコホラー風味のような気もします。
ですから、物語の中に入るのが難しい方は、けっこういらっしゃるような気がします。
私はこちらのシリーズは楽しめましたけれども。
BLといった雰囲気の話ではないように思いますが、濡れ場は多いです。
萌え要素は何かなぁ・・・執着系、下克上風味、お兄ちゃん、ショタ風味、そんな感じかなぁ。どれにも自分の萌えが無いので、良くわかりません(-_-;)
『甘い首輪』では、お金持ちのお坊ちゃまはお坊ちゃまなりに大変なのねー、というアサッテな感想を漏らしつつ、それでも、自分の為に変わってしまった大好きな信矢を、小野瀬家から開放してあげたい、とか、お坊ちゃまなりに色々な事を考えていたりして、健気だなぁと思って読みました。
しかしね、どうも、明生の態度に違和感があって、なんだかモヤモヤ。
そして、最後のほうで語られる、明生に関する秘密に気づいた信矢に歪みを感じて、ちょっと怖いなと思いました。
『優しい鎖』では、明生の父である光樹と信矢の叔父である真中が亡くなった、爆発事故の真相が、明らかになりました。
怖いよ!光樹が。イカレている。
明生と信矢の関係は、相変わらず甘く歪んでいて・・・。
『愛しい鍵』では、いよいよ、明生と信矢の関係が変わります。
こちらのシリーズは、ネタバレになると面白く無いと思うので、軽めの感想を。
明生と信矢の盲目的な関係は、二人だけの閉じた空間で甘く歪んでいて濃密です。
特に、『愛しい鍵』は、濡れ場での明生は、おそろしく幼くなってしまって、そこにもの凄い違和感を感じ、信矢はそれをとても楽しんでいるという様子に、何とも言えない気持ち悪さを覚えました。
(BL的には、ここは萌えるトコロだろう!という話も・・・)
まあ、それには秘密の「鍵」があるのですけれどもね。
信矢の歪んだ強い執着を不気味に思う反面、「鍵」を使う事に溺れた信矢の孤独で弱い心が悲しく思えました。
屈託の無い甘い笑顔を自分に向けて欲しいだけだったのにね。
きっと、苦悩や葛藤があったんだろうけれども、願いが単純だった為に、溺れやすかったのかもしれないなぁと思いました。
それに、何と言っても、明生がそうとは知らずに信矢に「鍵」を使う事を強要したのですから。
望まれて使う「鍵」と意図して使う「鍵」。
けっして許されるような事では無いのですけれども。
それにしても・・・
お坊ちゃまで信矢お兄ちゃん大好きな明生だったんですけれども、ちゃんと自我が育っていたんだなぁと。
自分が望む、信矢との関係を描けるようにまでなってヨカッタヨカッタ!
そう言えばこちらのシリーズは、括弧書きのモノローグが多いのですけれど、それが生きているんですよね。
括弧書きのモノローグを通して、明生の秘めた心を知る事になるのですが、そのおかげで読者は、小さな引っ掛かりを覚えたり、変化して行く明生に気付く事ができます。
モノローグを通して、わりと客観的に物事を考える事が出来る子なのに、何かおかしいという違和感?
『甘い首輪』を読んだ時には、何に違和感を感じたのかはっきりわかりませんでしたが、これだったんだなぁと。
客観的に物事を考える事が出来る明生と、信矢を目の前にするととたんに盲目的になってしまう明生。
親友・猛の言う所の「精神的近眼」というのはこういう事だったのか!と。
何はともあれ、どうなるんだ?この話!と思われたこのシリーズ、キッチリと終わりましたね。
しばらくちょっと忘れていましたが(-_-;)
盲目的で甘く歪んだ関係に萌えた方には、少々物足りない結末だったのかな?
私は、むしろ、このような結末で満足しましたけれども。
ただね、最後にオカルトネタが使われたのだけは、ちょっといただけないなーと思いました。興醒め。がっかりだよ!
ホラー風味を残したかったのかしら?
どうもねぇ・・・BLでオカルトを出されると、とたんに醒めちゃうんですよねぇ・・・個人的な愚痴でごめんなさい(-_-;)
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エス(全4冊)
- 2008.
- 06.
- 20
- (Fri)
- 00:00
英田サキさんの小説です。イラストは奈良千春さんです。
数ヶ月前に読んだのです。本屋で全て揃っているのを発見!
良い機会だと思ったので、購入してみました。
面白かったです!!
おかげで、次々と読んでしまって、感想を書くのは後回しになっちゃいました。
どんなお話かと言いますと・・・
- 『エス』
- 警視庁組織犯罪対策第五課、通称「組対五課」の刑事である椎葉は、拳銃の密売情報を得る、言わば拳銃押収のスペシャリストだ。
その捜査方法はエス(スパイ) と呼ばれる協力者を使った情報収集活動に重点がおかれている。
椎葉は新宿の武闘派暴力団・松倉組に籍をおく男を情報提供者として工作している。
ある日、寝起きの椎葉に一本の不明な電話がかかってくる。おまえのエスに気をつけろ、と。
劣情と矜持、孤独が交錯する男たちの物語!!
(『エス』書籍裏の内容紹介より引用しました)- 『エス 咬痕』
- 大物ヤクザである宗近をエスとし、自分の身体を餌に情報を得る椎葉に、ある日、上司から命令が下った。
それは同僚の刑事である永倉の援護をするというものだった!
刑事とエス。それは運命を共有する関係でありながら、決して相容れない存在でもある。
孤独に生きる男たちの歪で鮮烈な愛の物語!!
(『エス 咬痕』書籍裏の内容紹介より引用しました)- 『エス 裂罅』
- 大物ヤクザでありながら椎葉のエスである宗近。
宗近に特別な感情を持っていることを意識しつつも、刑事というポジションを選んだ椎葉。
互いを想いながらも、ふたりはエスと刑事という関係を守ることを誓っていた。
そんなある日、椎葉の前に現れた謎の青年・クロによって、すべてが狂い始める!
罪と罰。そして贖われるべきものとは?
(『エス 裂罅』書籍裏の内容紹介より引用しました)- 『エス 残光』
- ある日、大物ヤクザであり椎葉のエスでもある宗近が何者かの銃によって倒れた。
宗近を守るため、ある決意のもと宗近から離れた椎葉は、五堂によってい深い闇を知る。
複雑に絡まり合う過去と因縁。錯綜する憎しみと愛。
奪われた者は何で憎しみを忘れ、奪った者は何で赦しを得るのか。この闘いに意味はあるのか?
闇の中でもがき続けた男たちの鎮魂曲!
(『エス 残光』書籍裏の内容紹介より引用しました)・・・というようなお話です。
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「ヤクザとデカ、まるでロミオとジュリエットじゃないか。」
とは、椎葉の因縁の相手、五堂が、宗近と椎葉を指して言った言葉。まさに、そんなカップルだなぁと思いました。
椎葉は紛れも無くヒロイン。刑事と経済ヤクザ。刑事とエス(情報屋)。
それ以上の関係であってはならない関係なのに、その関係には強い信頼関係が無くては成り立たないのですよね。
理解はしても同調は許されない。「どこまで身体を開けばいい?どこまで心を許せばいい?」
宗近との関係は常にその迷いが付き纏って行きます。
それは、椎葉が宗近に惹かれてしまったからなのですが。
そういう椎葉の葛藤が延々と綴られているお話でしたね。
特に『エス 咬痕』では、椎葉の不安が最高潮に。
『エス 裂罅』では、今度は宗近が椎葉の手を放そうとします。
宗近もまた椎葉との関係に悩むんです。こちらのお話は、椎葉の空虚さっていうのかな・・・それと、危うさ?かな。
危うさにハラハラさせられて、それが痛々しくて、最初から最後まで、目が離せませんでした。
それから、憎しみだけで歩いてきた椎葉が、真犯人を突き止めたらいったいどうするのか?その後、椎葉はどうなるのか?という、強い興味もあり、読み出したら止まらなくまっちゃいましたね。空虚さというのは・・・喪失感とか組織に対しての諦め。そして、椎葉から憎しみとか執念を取ったら何も残らないだろうと思えてしまうので、感じるのかもしれません。
椎葉は、本来は甘ったれで脆い男だと思うんですよね。
だから、愛する者を奪われてポッキリ折れちゃった。
愛する者を銃で奪われ、信じていたものにも裏切られたという想い、後に残ったのは強い憎しみ。
その強い憎しみが、がむしゃらに椎葉の足を前へ前へと歩かせるんです。空虚な心と、それでも諦められない、自分がいつかやる!という執念。
そのせめぎ合いで激しく揺れている感じがしました。
そのせめぎ合いが激しければ激しいほど、生まれてくる自棄な雰囲気も、椎葉の危うさのひとつなのかな。椎葉のエスとなった宗近も、その驚くような自暴自棄っぷりを最初は強い開き直りと受け取ったようなのですが、後にはその危うさに目が離せなくなったのではないか?と感じました。
だってねぇ・・・椎葉の強気なセリフも態度も、どう見ても、小型犬の威嚇にしか見えなかったよ。私には。何度も言うけれども痛々しすぎる。宗近はいい男でした。
彼こそ、価値観に揺るぎの無い強い男でしたね。
彼と出会ったからこそ、椎葉はここまで来れたんじゃないかと思わされました。
傲岸不遜な態度をとりながらも、椎葉の立場や気持ちを考えて精一杯の事をして陰で椎葉を支えて。読み終えてみると・・・
何だかひどく甘いお話だったなぁと思いました。
そして、意外にも乙女チック。
五堂の最期と言い、その後と言い、宗近は格好良すぎ。
宗近は、お姫様を汚さぬように守り、お姫様を導く王子様ですね。
ハードボイルドかと思いきや、甘々のラブロマンスでした。ご馳走様。
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- tag:英田サキ 奈良千春
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茨木さんと京橋君 1
- 2008.
- 04.
- 02
- (Wed)
- 09:52
椹野道流さんの小説です。イラストは草間さかえさんです。
面白かったです〜。続き、出ますよね?
すっごく楽しみ♪
草間さかえさんと言えば、きちんと大人の男が描ける方ですよね!
そして、眼鏡!
草間さかえさんが描かれる、眼鏡のおっさんは大好きです。
こちらの『茨木さんと京橋君』は、登場する2カップルのうち2人が常時眼鏡で、1人は夜眼鏡(日中はコンタクト)という、眼鏡パラダイス(笑)でした。
どんなお話かと言いますと・・・
医科大学附属病院の耳鼻咽喉科医・京橋は、病院の売店で働く茨木と親しくなる。
誰にも話したことのない自分の生い立ちや医者になった理由、そんなプライベートを初めて話した夜、茨木は優しく頭を撫でてくれた。
いつしか茨木の笑顔に癒され、彼の手の感触を思い出し、会いたいと思う自分に戸惑うが…。
消灯時間も過ぎた病院でひどく落ち込んでいる様子の茨木に、このまま泣かせて欲しいと抱きしめられて――。
隠れS系売店員×純情耳鼻咽喉科医の院内ラブ♥
書き下ろしは京橋の頼れる先輩・内科医楢崎にお見合い疑惑!?『いつか似たもの同士……?』
(『茨木さんと京橋君 1』書籍裏の内容紹介より引用しました)・・・というようなお話です。
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- 茨木さんと京橋君〈1〉 (二見シャレード文庫) (二見シャレード文庫 ふ 3-11)
- 椹野道流 草間さかえ
- 二見書房 2008-03-27
- おすすめ平均
○ュッと来ます
ほのぼの…
by G-Tools , 2008/04/01
茨木さんと京橋先生は、もちろんカップルなのですが、もうひと組カップルが出てきていました。
間坂君(定食屋バイト)と楢崎先生カップルです。
(楢崎先生は、『右手にメス、左手に花束』シリーズにも登場しています。)
せっかちでうっかり者の京橋先生と、おっとりでも強気な茨木さんの、二人の会話がとても楽しくて。
これから、この二人にはどんな事が待ち受けているのだろう?と思うと、ワクワクしちゃいました。
続きがすっごく楽しみです。
素直で真っ直ぐな間坂君に、かいがいしく世話を焼かれ、すっかりメロメロな楢崎先生。
そんなメロメロぶりを、恋に悩む京橋先生に披露してしまうなんて!
これも、間坂君のおかげなのでしょうか?
書き下ろしの『いつか似たもの同士……?』は、この4人のそれぞれの個性が、際立った楽しげなお話で、面白かったです。
続編でも、ぜひ、間坂×楢崎カップルにもご登場願いたいと思いました。
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- tag:椹野道流 草間さかえ
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ウミノツキ
- 2008.
- 03.
- 10
- (Mon)
- 20:42
小説です。イラストは佐々木久美子さんです。
一足先に夏の気分を味わいました。
そして、むしょうに、プカプカ漂うクラゲを眺めたくなりました(笑)
古い言い伝えや、土着信仰、アニミズム、復元船、など、民俗学的なテイストが散りばめられた、素朴であたたかく、故郷の夏休み的なロマンチックなお話・・・という印象が残りました。
とは言え、二人の想いが一つになるまでは、謎めいて苦いお話なんですけれどもね。
どんなお話かと言いますと・・・
大学の夏休み期間中に、玄界灘で行われることになった復元船による航海実験に、水軍の末裔として参加する為、故郷に帰った海士は、航海実験メンバーである、タイからの留学生のアレンに、ひと目見た時から惹かれてしまいます。
そして、端艇部の学生との事だったのに、漕艇が下手なアレンが気がかりで、世話を焼くうちにアレンと仲良くなった海士は、アレンから「男は、キモチワルイですか?」「どこか、二人になれるとこ、ありますか?」と誘われました。
そういう経験が不慣れなそぶりがあるのに、妙に積極的なアレンに違和感を感じながらも、海士はアレンに夢中になって行き、アレンに「好きだ、つきあってください」と告げたのでした。
しかし、そのとたんにアレンから「僕たち・・・友達じゃいけませんか?」と、言われてしまい・・・?・・・というようなお話です。
何が?って、もう、アレンが可愛いかったです〜。
素直で信心深くて、健気で努力家で。
海士は、海の男らしく力強く、清々しく気持ちの良い男で、好感が持てました。
こちらのお話、カラダから関係が始まるのですが、それは、アレンにとっては、ある意味を持つ宗教的な儀式だったんですね。
そして、お話が進むにつれて、その、儀式の意味が明らかになるのですが、アレンが海士に恋をしてしまった事で、また、ややこしい事に。
・・・というのは、最初の「ウミノツキ」でのお話です。
他に「みおつくし」「アオスワイ」と、お話は全部で三部に分かれているのです。
「ウミノツキ」は、海士[攻]視点から書かれた、二人の馴れ初めから恋人同士になるまでの話。
「みおつくし」は、アレン[受]視点から書かれた、大学が始まり遠恋になった、二人のその後のお話で、海士の大学の学祭に出掛けるアレンが、二人で行った尾道での小旅行を思い出し、また、二人の縁が船だったという事で、新幹線では無くフェリーを選ぶ・・・というお話。
「アオスワイ」は、海士[攻]視点から書かれた、春休みに一時帰国するというアレンに、海士が同行するというお話です。
海の月と書いてクラゲ・・・
こちらのお話には、折井「海月」(みづき)という男性が深く関わっています。
そして・・・アレンの専門は「海月」(クラゲ)の生態。
「アオスワイ」では、アレンが大切にしている、クラゲ達の棲家に海士を案内します。
「アオスワイ」では、アレンの家族とのんびり過ごす海士が微笑ましく。
そして、幻想的なクラゲ達の棲家とらぶらぶな二人を堪能いたしました。
南の島でのバカンス!的なロマンチックなお話で・・・ご馳走様(*^-^)
ところで・・・「みおつくし」には、あの映画がチラリと出てきますが・・・
昨年、リメイクされたようですが、今の若い方もご存知なんですかね?
原作は児童書ですが、私はその頃はもう児童ではありませんでしたが、原作も読み、映画も映画館で見ました。
今でも、トロイメライを聴くと、あの映画を思い出します。
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- tag:いつき朔夜 佐々木久美子
- ジャンル:小説・文学
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愛と混乱のレストラン
- 2008.
- 03.
- 01
- (Sat)
- 23:16
小説です。イラストは麻生海さんです。
もーほんと、大好きなんですよ。高遠琉加さん。
発売されるのを、首を長〜くして待っていました。
が、しかし、こちらには続編が・・・ああ!待ち遠しいです。
どんなお話かと言いますと・・・
赤字続きで休業に追い込まれたフレンチレストラン「ル・ジャルダン・デ・レーヴ」復活のため、本社外食事業本部から出向してきた鷺沼理人は、若手シェフ・久我修司の引き抜きを試みる。
確かな腕を持ちながら暴力沙汰を起こし、今は実家に戻っているという久我は、理人の依頼を「あんたが気に入らない」と言下に拒否する。
それでも通い続けてくる理人に久我が提示した交換条件は「言うことをなんでも聞く」というとんでもないものだった。
しかしある理由から店の再興を失敗できない理人は、その崖っぷちの選択を呑むことに――。
夢の庭(Le Jardin des Reves)の実現は果たして――。
(『愛と混乱のレストラン』書籍裏の内容紹介より引用しました)・・・というようなお話です。
「ディレクトールは食べる事が嫌いなんだから、来るわけねえだろ」(文中より引用)
上の言葉は、なぜ、理人は賄いの時に来ないのだろう?と言うスタッフの問いに応えた久我の言葉です。
食べる事に興味が無い理人。
また、久我から見た理人の部屋は、「生活に興味が無い部屋」だと。
食べる事に興味が無い人というのは・・・生きる事にも興味が無いという事でしょうね。
美味しい物を食べるのが好きな人、ご飯を幸せそうに食べる人は、幸せな人なんだと思います。
もし、理人のような人を変える事ができたら・・・それはとても素晴らしい事だと思います。
久我は、生命力溢れる、見るからに(見てはいないけどさ)眩しそうな男です。
久我が理人を変える事が出来ると良いなぁと。
そう言えば、同じく、高遠琉加(春加)さんの、『神経衰弱ぎりぎりの男たち』にも、他人と向かい合ってご飯を食べるのが苦手な子が出てきていましたね。
そちらもやはり、心に傷を抱えた子で・・・お相手の子は眩しそうな子でしたね。
そんなわけで、お話もラブもまだまだで、これから!という所で、続きへ・・・となっておりました。
ああ!待ち遠しい。
ところで、こちらの本には、「愛のように甘い」という書下ろしが入っています。
ル・ジャルダン・デ・レーヴに、久我が連れて来たパティシエ、樫崎一のお話です。
これが・・・切ない!ぐは〜っ。
俺がいないと生きていけないって言って。
(文中より引用の、イチの心の声です。)
ううっ・・・(涙)
私は、ぜひ、こちらの続きも読みたいです・・・。
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- tag:高遠琉加 麻生海
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美しいこと
- 2008.
- 02.
- 07
- (Thu)
- 17:51
小説です。イラストは日高ショーコさんです。
上巻、下巻に分かれています。
下巻には、続編として寛末サイドから書かれた『愛しいこと』が、掲載されています。
どんなお話かと言いますと・・・
松岡洋介は週に一度、美しく女装して街に出かけ、男達の視線を集めて楽しんでいた。
ある日、女の姿でナンパされ、散々な目に遭い途方に暮れていた松岡を優しく助けてくれた男がいた。
同じ会社で働く、不器用、トロいと評判の冴えない男、寛末だった。
女と誤解されたまま寛末と会ううちに、松岡は「好きだ」と告白される。
松岡は、女としてはもう会わないと決心するが…。
(『美しいこと 上』書籍裏の内容紹介より引用しました)・・・というようなお話です。
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- 美しいこと(上) (Holly NOVELS) (Holly NOVELS)
- 木原音瀬 日高ショーコ
- 蒼竜社 2007-11-21
- おすすめ平均
ずっと恋する、何度も恋する
早く続きが読みたい
せつなすぎて涙がでました。
人間の心って難しいよね…実際は簡単じゃないよね…
絶賛!!
by G-Tools , 2008/02/07
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- 美しいこと(下) (Holly NOVELS)
- 木原音瀬 日高ショーコ
- 蒼竜社 2008-01-29
- おすすめ平均
5年待ちました
堪能しました
忘れられない恋
無力なまま、震えながら、人を好きになる。
ずっと読み続けたい本に出会えました
by G-Tools , 2008/02/07
美しい女性の姿を装ったせいで、恋に落ちてしまった男、松岡。
美しい女性の姿のまま、寛末に愛されてしまった事で、寛末の恋心までをも欺く事に。
確かに恋であったはずなのに、美しい女性の姿に囚われて恋を見失った男、寛末。
美しい容姿のみならず、正しくて、強くて優しい心に惹かれていたというのに。
そんな二人の恋の行方を追った物語だと思って読みました。
泣きますよ?号泣?
身から出た錆とは言え、長く苦しそうな恋のお話で・・・
冴えない男の優しい内面に惹かれ、不器用な男の純情に絆されて恋に落ちて行く様は、なんだか怖いくらいにリアルでした。
「なんでこんなのがいいのか・・・」というのは、寛末を想い続けてしまう松岡のセリフ。
そう思った頃には、既に手遅れなんですよねぇ・・・ううっ。
覚えがあって痛かったです(笑)
いつまでも幻の美しい女性の器に囚われて、現実の松岡を受け入れられないのに、離したくない、忘れられない寛末。
そんな寛末の二度目の恋は、あっけない程ストンと落ちます。
いやいや・・・これもまた紛れも無く恋でしょう。
読んでいて気持ちが良いほどでした。
こんな、一瞬で、恋だと納得できる恋もありますよね・・・実際はもっと前から始まっているのですけれども。
寛末が、恋のカケラを捨てずに済んだのは、松岡が見せる、寛末への一途な想いだったんでしょうね。
寛末が口を付けた煙草の吸殻を、松岡が、大切に携帯灰皿にしまうシーンは、乙女心にキました(笑)おばちゃんだけど。
それにしても、木原音瀬さんという方は・・・まったく・・・
ボーイズラブというファンタジーを書いておきながら、読ませておきながら、現実の世間一般のおおよその真実を突きつけて来るんですから。
ですから、これは「願い」なのでしょうね。恋のカラクリはシビアだと思うので。
もし、現実に、寛末のような男にめぐりあえた人は、救われるに違いありません!と、思いたい・・・、いや、思わせてください!と、思わせるのもファンタジー?
そう言えば、こちらのお話のその後を綴った小冊子プレゼントサービスの応募用紙が、下巻に付いていました。
4/23までだそうです。
ベタベタで甘々だといいなー♪
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愛こそ明日の絶対
- 2008.
- 01.
- 31
- (Thu)
- 15:58
小説です。イラストは奈良千春さんです。
こちらは、絶対シリーズの『君こそ僕の絶対』の続編です。
商業誌では、一応、こちらで完結だそうです(涙)
どんなお話かと言いますと・・・
刑事になって4ヶ月の諏訪内真二は、年上の恋人である検事の高城幹弥と過ごす予定の、年明けの休暇を楽しみにしていました。
そんな中、ひき逃げ事件が発生し、その事件の目撃者として、諏訪内の妹の美夏が証言の為に刑事課を訪れました。
そこで美夏は高城に一目惚れをしてしまい、真二は美夏に、「高城を紹介して」とお願いされてしまうのでしたが・・・?・・・というようなお話です。
※こちらの作品には、以下の前編や関連作品があります。
『好きこそ恋の絶対』→『君こそ僕の絶対
』→『愛こそ明日の絶対』
『恋する絶対の法則』は、検事の高城幹弥の双子の弟(優弥)と高校生カップルのお話です。
ご主人様に従順な年下わんこ[攻]と年上美人さん[受]カップルのお話です。たぶん(^^;)
付き合うようになってから、4ヶ月ぐらいのお話ですから、まだまだ甘〜いお話でした。
このカップルは、大好きだー。
諏訪内はカワイイし、高城はオトコマエで色っぽいし。
高城の、標準語と大阪弁のモード切り替えは、ツンデレのような効果を感じますね?いいかも(笑)
こちらのカップルは、まっすぐ×まっすぐカップルですよねー?
諏訪内は高城を「まっすぐな人」と称しましたが、ある意味諏訪内もまっすぐな男で。
諏訪内の「まっすぐ」が親から貰い、育んでもらったものなら、高城の「まっすぐ」は、努力とか意志なのでしょうね。
その、高城の、高潔さを貫こうとする意志と努力に、諏訪内は尊敬し憧れるのですが。
そんな、何事にもストイックでシビアな高城が、諏訪内に純粋で正直な心を素直にぶつけられる事によって、普段は隠している柔軟で優しい部分をどんどん暴かれて、諏訪内に甘々になって行く様に萌えます(笑)
ま、高城だけでは無く、刑事課のみなさまも、諏訪内を前にするとカドが取れてしまうのですが。
また、悪意を持たない、もしくは、持ってしまった負の感情を隠す必要性をも感じない、純粋で正直な諏訪内を目の前にすると、つまらない見栄やプライドで武装する事が、アホらしく思えてくるのかもしれませんね。
なんとも、微笑ましいカップルです。
これで最後だなんて寂しいわ・・・。
あ、なんか三冊全部通した感想になっちゃったようです。
ごめんなさい(^^;)
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檻−おり−
- 2008.
- 01.
- 28
- (Mon)
- 22:12
小説です。イラストは今市子さんです。
この本の帯のアオリがなんとも・・・。
買い辛かったです・・・ま、買いましたが(笑)
先月、購入し読んだのですが、ブログには書いていなかったですね・・・まだ。
どんなお話かと言いますと・・・
畝川稔は、病を患っている母(由美)と暮らしていました。
そんなある日、由美の義姉(牧村聡子)が訪ねてきて、一緒に暮らして欲しいと言ってきました。
由美にとって牧村の家は実家でもあるし、聡子も資産家であった夫を亡くし、息子(宗司)と二人暮しであるし、牧村の仕事には興味を示さない息子に代わって、牧村の資産管理などを稔に手伝って欲しいのだと。
また、聡子は稔に、「絶対に宗司はあなたを気に入ると思う。弟みたいに可愛がると思う」と告げて帰って行きました。
宗司は稔にとって憧れの人であり、心の中で「兄さん」と呼び、密かに慕っていた人でした。結局、牧村の世話になる事にした畝川親子は、牧村の家へ移り住みました。
引越しが終わり、由美の部屋から庭を眺めていた稔は、笹竹の生垣で囲まれた一画でのある出来事を思い出しました。
幼い頃、この屋敷に来た時に、あの一画にある潜り戸の閂を外して、聡子にこっぴどく叱られた時の事を。
そこで、「あの生垣の中には何があるの?」と訊ねた稔に由美は、偽湘南と呼んでいる茶室があって、あそこは封印された庭なのだと言い、けっして入らないでちょうだいと念を押すのでしたが・・・?・・・というようなお話です。
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- 檻-おり- (キャラ文庫 う 1-3)
- 烏城あきら 今市子
- 徳間書店 2007-11-27
- おすすめ平均
ナマぬるい。
一筋縄ではいかない人々
女の人が良い!
by G-Tools , 2008/01/28
『檻』といういかにもな(^^;)タイトルに惹かれて購入しましたが、まあ、当たらずとも遠からず。
しかし、主人公は想像したような執着を燃やす相手から逃れられずに繋ぎ止められる、というお話では無く、あっさりハッピーエンドなお話でした。
何だかミステリアスなお話で、最後は、まあ、スッキリするのですが、オカルトっぽいシーン(あれは妄想なの?)は何だか良くわからなかったです。
ミステリアスなお話、というのは、主人公の稔だけが、最初は蚊帳の外だからなのですけれどもね。
こちらの小説、合い間に、回想のような文章がたまに挿入されているのですが、主人公である稔の告白かと思いきや・・・ちょっと違いましたね。
「兄さん」というフレーズに騙されました(笑)
そう・・・こちらのお話「兄さん」というのが鍵でした。
読み始めると、茶室の謎にぐんぐん引き込まれます。
それぞれの登場人物が(過去の人も含めて)、心に秘めた秘密があったり、ある特定の人にしか明かしていない事実があったりで、それぞれの話を、読み手がパズルのように組み合わせて行くと真相というか全体像が見えます。
そして、それぞれが密かに望んだ幸せが、最後には手に入り丸く収まります。
『檻』というタイトルらしく、妄執系のお話ではありますが、そういう系のお話が苦手の方にもお薦めかもしれません。
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- tag:烏城あきら 今市子
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ダーク過ぎ・・・・
満足!
長所と最悪が混ざるシリーズ完結。














5年待ちました

