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ネタバレ御免!煩悩の赴くままに読み漁った、
BL(ボーイズ・ラブ)本読書感想ブログです。

BL偏愛読書録

【Illustration】

Benri-navi by myhurt

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愛なんて食えるかよ

  1. この本の著作者 :
  2.  楽田トリノ
  1. 2008.
  2. 05.
  3. 30
  4. (Fri)
  5. 11:32

楽田トリノさんのコミックです。
少し前に行った本屋でオーラを放っていたので、購入してみました。
ていうか、引力に負けた!?

良かったよ!!
表紙イラストの眼鏡[受](音楽教師)が、食えない奴で性悪で最高!
攻め攻めな受け?でも、実はツンデレ(笑)

▼付いていたオビのアオリ(草間さかえさんが書かれています。)

眼鏡受、かくあるべし!
柔和で腹黒、しぶとくて尊大
眼鏡受、かくあるべし!
(『愛なんて食えるかよ』書籍オビから引用しました)

どんなお話かと言いますと・・・

白く閃く指、荒々しい音。柔らかい態度と、見透かすような物言い。
この男の印象は、どこか捩れているような――。
「ピアノより、私はもっといい声で啼きますよ?」音楽教師・木下と、同僚・三橋。
秘密を共にした2人が奏で合う恋の旋律。
(『愛なんて食えるかよ』書籍裏の内容紹介より引用しました)

三橋和成(スクールカウンセラー)と三橋重行(専門学校生)は、兄弟で、弟は、兄がスクールカウンセラーを勤めている高校の卒業生です。
寒川愛(化学教師)は、兄弟の兄のほう(和成)とは、学生時代の友人であり、付き合った事があり、現在は、同じ高校に勤めています。
重行は寒川に、寒川は重行に想いを寄せていて・・・?
和成は、木下(音楽教師)に、興味を持たれて・・・?

・・・というようなお話です。

photo
愛なんて食えるかよ (ドラコミックス 168)
楽田トリノ
コアマガジン 2008-05-24

by G-Tools , 2008/05/29

重行(専門学校生)×寒川(化学教師)カップルのお話と、和成(スクールカウンセラー)×木下(音楽教師)カップルの、それぞれのお話なのですが、この4人が複雑に絡み合ったお話になっています。
表題作「愛なんて食えるかよ」と「君の名は」は、重行(専門学校生)×寒川(化学教師)カップルのお話。
書籍裏の内容紹介は「ねじれた音符の奏で方」と「ねじれたシーツの洗い方」、和成(スクールカウンセラー)×木下(音楽教師)カップルのお話の内容紹介ですね。
奇跡の人」という、ぜんぜん別のお話も収録されていました。

どのお話も、捩れたお話になっていて・・・この4人の関係を詳しく語ると、ネタバレになって面白くないから、その辺りはパスしちゃおうっと。

重行(専門学校生)×寒川(化学教師)
こちらのカップルは二人揃って繊細なクセにちょっとニブいんです。
重行は、年下ワンコで健気で素直でカワイイんです。
そして、見る夢?が凄い。笑えます。若いね。
寒川は・・・けっこう好きかも。きゅ〜っとキた。カワイイよ。

和成(スクールカウンセラー)×木下(音楽教師)
木下は、物腰の柔らかい男なのに、奏でるピアノは荒々しい。
戦車がスキップしているような音・・・らしいです。凄ぇ!(笑)
この男がとんだ食わせ者で、本性は性悪で凶悪。
攻め攻めな受けと表したのは、木下の主張「その前の試合運びで優位が決まるんだ」というやつで、始まりは自分が上で主導権を握らないと!という妙な矜持から。
それなのに、それを「攻撃は最大の防御」だと和成に見抜かれて、更に剥かれてデレるんですよね。美味しすぎ♪

奇跡の人」は、高校の同級生親友同士のお話です。
読むのは初めての作家さんだと思ったのですが、こちらのお話は、雑誌で読んだ記憶が。
女の子にモテモテのモテ男くんには秘密が・・・。

書籍カバーを取ると、表紙に漫画が書かれています。
木下が暴れます(笑)

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野良猫とカサブランカ

  1. この本の著作者 :
  2.  中原一也
  3.  実相寺紫子
  1. 2008.
  2. 05.
  3. 29
  4. (Thu)
  5. 14:42

中原一也さんの小説です。イラストは実相寺紫子さんです。
中原一也さんの、シリーズものでは無い本は、読むのが久々のような気がします。

今回この『野良猫とカサブランカ』が出たアルルノベルスでは、「執着フェア」なるものを開催しているらしく、その中の一冊という事で、執着モノなんだろうなぁと、薄ボンヤリと思いながら購入。
しかしね、読んでみると、それほどでも・・・という感じがしたのですが、最後まで読みきると、やっと「執着フェア」に納得。
執着モノのイメージと書籍裏の内容紹介に反して、優しい話だったなぁという印象が残りました。
しかし・・・感想は少々辛口かも?

どんなお話かと言いますと・・・

男に飼われていた過去を持つバーテン・律は、どこか陰のある傲慢な刑事・須田に捜査の協力を頼まれる。
母譲りの美貌と線の細い躰に反して生意気な律の反応を面白がり、挑発してくる須田。
憤りを隠せない律だったが、消し去りたいはずの過去を互いに抱えながらも、対峙する強さをもつ須田に掻き乱されていく。
意地の張り合いと酒の勢いから、律の中に眠る被虐の血を呼び起こす須田だったが…。
責め苦に悶え悦ぶ罪深い躰を思い知らされた律は!?
(『野良猫とカサブランカ』書籍裏の内容紹介より引用しました)

・・・というようなお話です。

「執着」はいったいどの辺りが?
そして、『野良猫とカサブランカ』というタイトルで、表紙イラストの男(須田)とカサブランカにどのような関係が?
そう思って読み始めると、あれ?執着はどこ?須田とカサブランカは関係無いじゃ〜ん!と。
が、しかし、読み終わってみると、なるほど!と納得。
執着はダブルで、カサブランカもダブル(謎)

こちらのお話、あまり詳しく書くと、盛大なネタバレになっちゃうから、書き辛いな。
ストーリーは書かない事にしよう。うん。

律は、深く悔いている消し去りたい過去がありながら、自虐的な露悪趣味で、その過去を他人に自慢げに誇示してしまうような困ったちゃん。
でも、きっとそうやってしまわないと、自分の足で立って生きて行けないんだろうなぁ。
痛々しくって泣ける。

須田は、ヨレて捻くれたオッサンなんですけれども、早々と重い荷物を捨ててしまって、その自由さが心地よいと感じている男。
律に興味を持ってしまった須田は、ポン!と叩くと直ぐに逆毛を立てる律が可愛くて、ついついいじめてしまうんです。
須田は、律の事を、本当は優しく可愛がりたいのですけれども、律は、簡単には可愛がらせてはくれない野良猫なので、手を焼きます。

この二人のバトルが面白かったです。
意地っぱりの律が可愛くて。
(この辺りしか、中原一也さん的お楽しみが無かったような気がしました。寂しい。)

ストーリーは、子猫ちゃんの、再生の物語、かな。
そして「執着」を断ち切る話だと思いました。
荒療治を施したのは須田。
いかにも須田らしい、押し付けがましい行為なんですけれども、押し付けがましくない優しさが垣間見えていいなぁと思いました。

最後に、条件付けにカクテルとは・・・ここには、須田の意地が(笑)
思わず納得のタイトルでした。

なんだかね、「執着」がこびり付いた頭で書籍裏の内容紹介を読んでから読むと、ぬる〜い感じの話だなと。
だってぇー、仕立屋さんの話を思い出すんだもの。
中原一也さんらしいパンチの効いたシーンは少ないし、嗜虐だとか被虐だとか、煽っているわりには、その辺りが今ひとつだったような気が。
「あとがき」まで読ませていただくと、あ・・・やっぱりねと。
アレが出てきそうな濡れ場だったのに(笑)なぜ、出ない?とか思っちゃったよ(-_-;)
や、そんなに好きじゃないけどさ、お約束?

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ラブ♥フェチ

  1. この本の著作者 :
  2.  高月まつり
  3.  海老原由里
  1. 2008.
  2. 05.
  3. 26
  4. (Mon)
  5. 17:40

高月まつりさんの小説です。イラストは海老原由里さんです。
表紙イラストの妙なカップルに釣られ、煩悩の赴くままに購入した本です(^_^;)

高月まつりさんという事で、テンション高めのぶっ飛んだ話を期待していたんですが、テンションは高いけれど激甘なお話でした。

どんなお話かと言いますと・・・

凛々しい顔立ちのせいでコワイと誤解される悠一は、たったひとりの家族、妹のために必死に働く料理人。
面倒見がいい彼は、今やホストクラブの厨房のアイドルだ。
ある夜、突然厨房に色気と美貌を滴らせた見知らぬ男が現れ、着替え中の悠一の裸の上半身のそこをうっとりと見つめ!抱き竦め、囁きだけで悠一をふにゃふにゃにし、甘くて意地悪な舌で敏感なそこを舐め喘がせる。
理性も体もとけてく─。しかも男はただの変態ではなく、悠一を店を巡る事件に巻き込み!? (『ラブ♥フェチ』書籍裏の内容紹介より引用しました)

・・・というようなお話です。

photo
ラブ・フェチ (プラチナ文庫)
高月まつり
プランタン出版 2008-05-09

by G-Tools , 2008/05/26

35歳の攻めは乳首フェチで、元ナンバーワンホストの王子様。
30歳の受けはコワモテだけど、真面目で心優しい妹思いの料理人。

裸エプロンのコワモテ風な男が、困ったようにはにかんでいる表紙イラストに釣られて購入したんですけれども、読み始めてから「しまったぁぁぁ!」と思いましたよ私は。
書籍裏の内容紹介にある上半身のそことは、乳首。
BLでの濡れ場では、わりと執拗に延々と繰り広げられる乳首攻めプレイ?あれ、駄目なんですよねぇ。途中で飽きちゃうの。
その上、私の苦手な幼児語プレイが!オーマイガッ!

しかし、あらら〜ん!意外にも楽しく読めちゃいました(笑)
両方とも、ダラダラ続く事無く、メリハリがあったからかも。

この、薹が立った変態王子様の[攻]が、コワモテの真面目な[受]を、メロメロにしちゃって、幼児語でのおねだりを要求しちゃうんですな(笑)
優しく小さな子をあやすように羞恥を煽る変態王子様に、素直に従ったり素に戻ったりと揺れる悠一[受]が可愛かったです。
30過ぎのカップルが・・・傍から見ると、あまりにも妙でバカバカしくて笑えるんですけれども、その、笑える程度、っていう所も良かったかな。

こちらの変態王子様、意外にも苦労人で、その「苦労」とやらは、悠一がしてきた苦労と共通な「苦労」で。
最初は、いきなり身体をメロメロにされちゃって、うろたえるばかりの悠一だったのですが、身体の相性が良いだけではなく、経験してきた「苦労」を共有できたり、気持ちの上での相性もピッタリという事で、変態王子様の押したり引いたりの恋の駆け引きに陥落してしまいます。

その、悠一のうろたえぶりが面白くて、楽しく読めちゃいました。
脳内一人ボケ&ツッコミや妄想を繰り広げたりで、浮いたり沈んだり右往左往するんです。
一方の変態王子様は、王子様らしく、何事にも動じなく人の話もあまり聞いちゃいません。
この、押し付けがましくない強引さにヤラレちゃったんだろうなぁ。何も考えていないようで、ちゃんと悠一の事を考えているし。

こちらのお話、悠一が怒ったり沈んだりで、最初はけっこう勢いがあるんですけれども、だんだん甘々な雰囲気になり、最後は激甘でらぶらぶなお話に。
私としては、最後までもっとバカバカしさを残しておいて欲しかったかも?最後は、変態王子様格好良すぎ。ダブルでね(謎)
でも、BLだから、最後は激甘のらぶらぶで正解なんでしょうね。

そうそう、こちらのお話、オチがあるんです(笑)
あっと驚くような話では無いのですが、楽しいオチでした。

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君さえいれば

  1. この本の著作者 :
  2.  鹿乃しうこ
  1. 2008.
  2. 05.
  3. 24
  4. (Sat)
  5. 15:03

鹿乃しうこさんのコミックです。
かなり古いコミックですね。
「ライトハンドマン」という全く別のお話も収録されています。

イバラ?オヤジ本ですね。
26歳と45歳のサラリーマン、リバーシブルCPのお話です。

どんなお話かと言いますと・・・

耕造と謙二郎は娘であり妻である奈々子亡き後も一つ屋根の下で暮らし続ける一見仲の良い義理の親子。 しかし実は謙二郎は最初から奈々子の父・耕造に想いを寄せていて、病弱な奈々子も全てを承知で耕造を謙二郎に託したのだった。 真実を知った耕造は…?
(『君さえいれば』書籍カバーの内容紹介より引用しました)

・・・というようなお話です。

※こちらのCPの初出は『懺悔』というコミックです。
したがって、『懺悔』の中の「君さえいれば」も併せて読んだ方が良いかもしれません。
(こちらは、初田しうこさん名義となっています。)

photo  麗人セレクション懺悔 (バンブー・コミックス)
君さえいれば (バンブー・コミックス REIJIN Selection)
鹿乃しうこ
竹書房 2001-11
おすすめ平均 star
star鹿乃しうこさんの描くおじさまはあまりに美しい・・・
star親父本です。。。

by G-Tools , 2008/05/24

なぜ、急にこのような古いコミックかと言いますと・・・
先日、当ブログの「このブログについて」という記事に、拍手を頂戴したんですよ。
(拍手してくださった方、どうも、ありがとうございます!)
それで、この拍手の意味はいったい・・・やくざモノが多いというボヤキに対してなのか?はたまた、偏った萌えに対してなのか?と、チラリと考えたのでした(^_^;)

そうしたら、こちらの『君さえいれば』というコミックを唐突に思い出したんですよ。
思えば、こちらを読んで、己の萌えについて気付かされたと言いますか、開眼させられたと思うんです。

が、しかし、それが少数派だという事は、ずっと後に知ったのでしたΣ(; ̄□ ̄A

でもさー、最近はみんな好きだよね?オッサン。
え、いくらなんでも45歳は年寄りすぎるって?そうですか。
耕造さんカワイイのにー。

はっ!リバーシブルも駄目ですか・・・そうですか。
いつもエロい事を言っては謙二郎を攻める耕造さんが、謙二郎にあんあん言わされているのもイイんですけれどもね。
え?45歳の受けは見たくないですか・・・そうですか。
あ!攻め攻め気質の謙二郎が、耕造さんの下で幸せそうなのもイイんですけれどもね。

こちらの『君さえいれば』は、面白いですよ?エロも満載で濃厚ですし。
え、あまりロコツなのは好きじゃない・・・?ああ、そう・・・それは残念。

とにかく!ちょっといい加減でゆるい感じの耕造さんと、直球勝負で強気の謙二郎の、この二人のやりとりが、いちいち面白いんですよ。
この二人、飾らず、気負いも無く、付き合って行けるという関係で、楽しそうなんですよね。

ストーリーは、奈々子が亡くなってから2年、謙二郎に本気を見せられた耕造さんが、謙二郎を受け入れて行くというお話なのですが・・・。

「いまさら・・・」という大人の少々クタビレタ気持ちと「いやいや、まだまだ!」と思う意地?
この狭間で揺れ動くんですね。オッサンと呼ばれる年代の方は。
(や、耕造さんはかなり流されていますが。)

この辺りが、ひじょうに切なかったりするんですが、耕造さんも、最後は、自分にとっての幸せのカタチを受け入れ、謙二郎にとっての幸せも引き受ける事にするんです。
20歳ぐらい年下の、攻め攻め気質の謙二郎に、素直に甘える事ができる耕造さんは、やっぱり大人で、いいオッサンだなぁと思うんですよね。

久々に引っ張り出して読んだのですけれど、やっぱりいいわ〜♪面白い!!

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真昼の月(中)

  1. この本の著作者 :
  2.  いおかいつき
  3.  海老原由里
  1. 2008.
  2. 05.
  3. 22
  4. (Thu)
  5. 19:18

いおかいつきさんの小説です。イラストは海老原由里さんです。
こちらは、『真昼の月(上)』の続きです。
たぶん、雄飛版の2巻の終り少しから4巻の途中までが収録されていると思います。
それと、「妄執」という短い書き下ろしも収録されています。

どんなお話かと言いますと・・・

ヤクザの若頭・辰巳剛士と、マル暴の元刑事・神崎秀一は情人関係にあった。
辰巳との関係を断ちたいと望んでいた秀一だが、自分の居場所をつくってくれる辰巳の存在を、徐々に受け入れてゆく。
辰巳の計らいで調査事務所を開くことになった秀一のもとに、初仕事が舞い込む。
依頼は放置車両の持ち主捜査という、簡単なものだったが、車内で血痕が発見され、事件は殺人へと発展する。
犯人捜査を始めた秀一は、辰巳の部下が関わっていると知り――。
(『真昼の月(中)』書籍裏の内容紹介より引用しました)

※こちらは『真昼の月(上)』の続きです。

・・・というようなお話です。

photo
真昼の月 中 (2) (リンクスロマンス)
いおかいつき
幻冬舎 2008-04

by G-Tools , 2008/05/22

さて、前作からの続きです。

秀一は、自分の居場所を、この大阪で、辰巳に世話をして貰った調査事務所とする事を決意します。
それは、自分に辰巳の息がかかっている事を世間に知らしめ、二度と表の世界へ戻る事が出来ないようにする、という事なんですね。
そして、こちらの『真昼の月(中)』の最後の方では、今までは、ヤクザの若頭と言うよりも、秀一にメロメロな助平なオッサン、という色が、何とな〜く、濃かった辰巳が、ヤクザの若頭らしい振る舞いを見せ、ピリピリとした雰囲気が漂います。

しかしね、なんだかんだ言っても、二人の絆が強くなって行っているなぁという『真昼の月(中)』でした。
秀一も、妙に辰巳の事が気になり出してきたみたいだし。

そして、けっして甘くは無い関係も持続中で、私的にも、よしよし!といった感じで、萌えますね。この距離感は。
互いに通じ合っているのに、甘い余韻を漂わせない関係?好きだ〜。

それにしてもね、毎度ながら、辰巳の手元にスチャっと出てくるオイルのシーン。
秀一じゃなくても、私も毎回「出た!」と思ってニヤニヤしてしまうのよ(笑)
全く準備の良いオッサンだこと。
マナーの良い助平って、好かれそうだわ。
潔く乱れる秀一も、ますます色っぽくなって嬉しいかぎり(*^-^)

次には、いよいよ完結ですね!
この二人、どうなるんだろう?

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獣の妻乞い

  1. この本の著作者 :
  2.  沙野風結子
  3.  実相寺紫子
  1. 2008.
  2. 05.
  3. 21
  4. (Wed)
  5. 23:42

沙野風結子さんの小説です。イラストは実相寺紫子さんです。

こちらの本、発売日に、近所の書店を探し歩いたものの、結局、めぐり会えず。
噂の獣○には、あまり興味も無かったので、このまま見送ろうかな?と思っていたのですが、あちらこちらでの評判に煽られ(笑)いよいよ、ネットで買おうか・・・と、思っていた所、まんだらけで発見!
新品じゃなくてゴメンナサイという感じですが、なかなかめぐり会えなさそな本だったので、購入してみました。

えーと、感想は少々辛口?

どんなお話かと言いますと・・・

通り魔に襲われた高校生の由原尚季は、狩野飛月という男に助けられる。
強引な手口により、飛月と一緒に暮らすことになった尚季は、凶暴そうな見た目に反し、無邪気で優しい男に急速に惹かれていく。
だが、仕事に行くたび尋常さを失う飛月に、尚季は昼夜を問わず、荒々しく抱かれるようになる。
次第に獣じみていく飛月の異変に不安を覚える尚季は、彼が凶悪犯罪者を抹殺するため、秘密裏に造られた「猟獣」だと知り――。
(『獣の妻乞い』書籍裏の内容紹介より引用しました)

・・・というようなお話です。

photo
獣の妻乞い (リンクスロマンス)
沙野風結子
幻冬舎コミックス 2008-01
おすすめ平均 star
star意外に純愛
star忠犬ならぬ忠狼(獣○有り)
star後半は涙・涙・涙

by G-Tools , 2008/05/21

これは、反則だ!

いくらファンタジーとは言え、倫理的に危ういお話ですよね。
主人公が親の目の届かぬ未成年というのもね・・・意図的?
上手く暈して、肯定はしていなかったり、がんじがらめで選択肢が無かったり、決意はさせても、実際の行動には至らなかったりで。
そんな感じで、アレもコレもソレも、うっかり受け入れさせてしまうようなお話には脱帽。
読み終わった時には、人の「情」の危うさを実感してしまいましたよ。

しかも、こちらのお話、主人公の尚季よりも先に、読者に、飛月の正体や生い立ちが知らされるんです。
萌えフィルターとか温情倍増フィルターとか?しっかり掛かっちゃうんですよ。

書籍裏のあらすじは、アオリではなく、ちゃんと合ってます。
合っているのに、合ってはいないようなこの違和感。
それは、しっかり作者のワナに嵌ったせいですΣ(; ̄□ ̄A

さて。それはそうと・・・
あらすじにあるような設定のその辺は弁えた上で、しっかり棚に上げちゃって楽しもう!という事で読み始めたのでした。

凶暴そうな見た目なのに、飛月がもう、可愛くて可愛くて。
尚季に向けるその想いは、一途で純粋な無心の愛情。ただただ、好きなだけ。
一緒に居たい、くっついて一緒に眠れたらそれだけでシアワセ、みたいな感じかな?
でも「妻乞い」なので、尚季と「番」になる事が希望ですけれども。
とにかく、尚季が一番、尚季と一緒にいられなかったら生きている意味が無い、というくらいの思いの入れようなんです。

飛月は、尚季にもう一度会いたい一心で、出自を嫌いながらも生き残る為に頑張り、良心の呵責に苛まれながらも自分に与えられた任務をこなしてきました。
それが、飛月の唯一生きる道だったからです。

いやいや〜、こんな一途な愛情を向けられたら、流されるでしょう。
しかも、幼い頃、一時と言えども、愛情を注ぎ、愛情を返してくれたコですもん。可愛くないワケが無い。
飛月を赦して癒してやれるのは自分だけ・・・と、尚季が思い込んでも仕方が無い。

・・・と、まあ、温情倍増フィルターに侵された私は、そんなふうに思っちゃったのでした。

そして更に、すっかり萌えフィルターに侵された私は、「はっ!大型わんこ!年下わんこ攻め?ぐっはーーっ(吐血)」というような状態で。
飛月の、見映えと中身とのギャップには、萌えが仕込まれておりました(-_-;)

こんなにすっかり大人の体つきなのに、なに?この可愛いナカミは!
「猟獣」である飛月は、獣である狼の形である時は、ヒトよりも老化が早い。だから、ヒト形をとった時に、その年齢に見合った容姿になるわけです。
しかし、ヒトとしては、生まれてからの年数が足らない為に、なにぶん経験値も低く全く幼いんですよ。
だから、実質「年下」と言っても過言ではないでしょう。

そんな二人は、種族を超えても「番」になるわけですが・・・
いや・・・全然、違和感無かったです。
そのシーンには「この世の名残」というフィルターも用意されていました。
飛月はヒト形をとって、尚季と意思の疎通を図ってきましたから、尚季の心の中には、ヒト形の飛月も居るわけですしね。

それにしても、この結末は、切ない・・・。
飛月が尚季の為に犯してきた罪を、尚季にも背負う覚悟をさせるというようなね。
尚季にまで、罪を犯させる気ですか?それは、飛月を赦した罪なんですかね?

さて・・・この辺りで、私のフィルターは外れてしまいました。
以下、かなり辛口ですので、ご注意を。

尚季がそういう覚悟を決めたのを良い事に、飛月たちを生み出した罪までをも、尚季にも背負わせてしまうというようなストーリーの厚顔さには少々引きました。
親の目の届かない子供に、しかも親の承諾も無く、あんな誓約書?お粗末です。
いくらファンタジーと言えども、これは・・・

いや・・・なんか、惜しいですね。
せいぜい、片目を瞑れるくらいだと・・・(-_-;)

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別れる2人の愛の劇場。

  1. この本の著作者 :
  2.  北別府ニカ
  1. 2008.
  2. 05.
  3. 20
  4. (Tue)
  5. 00:19

北別府ニカさんのコミックです。短編集です。
東京漫画社さんからの、2冊目ですね。

北別府ニカさんのコミックは、3冊目ですけれども、今の所、私にとっては、全くハズレ無しですよ!
今回は、相原と兄さん遠恋カップルのお話が、また読めてシアワセ〜。

<収録作品>

別れる2人の愛の劇場。前編
別れる2人の愛の劇場。後編
森部くんの迷惑劇場。
リーダーの迷惑劇場。

アイドル×芸人カップル
テレビの中でキラキラ輝くお笑い芸人の梅田に憧れて、芸能界入りした上野は人気アイドルに。
ようやく一緒の番組で仕事ができるその初対面で、「つきあってください!」と告白。
上野の健気な頑張りっぷりに惹かれ恋人同士になる2人だが、身分違いを日に日に感じる梅田は別れを告げてしまう…。どうなる職場恋愛!?
(『別れる2人の愛の劇場。』書籍裏の内容紹介より引用しました)

とろける十代

高校三年×高校二年カップル
県内一のおバカ高校に通う、坂上(高三)のタイプは「賢くて気高くて美しい人」
狙うは、県内一の名門校の噂の美人、時田桜(高一)。「是非、お友達に・・・」と声を掛けると、感じの悪い桜の兄(二年)が出てきて妹をガード。
坂上は、負けじ!と、まずは兄の方から攻めて行く事に・・・?

姉のおさがり

義兄×義弟(幼馴染)カップル
「マサくんが女の子だったら良かったのに」
いつも姉に泣かされていた、幼馴染の気弱なノブくんは、20年後、姉と結婚し、義兄になったのだが、ある時マサは、男とキスしている所を、女連れの義兄に見られてしまう。
義兄の浮気は今に始まった事では無いから良いけど(^_^;)、自分の性癖は姉にも知られたく無くて、義兄の我が儘に振り回される事に・・・?

東口ネオンサイン

高校の同級生カップル
「純情可憐な君とデートするなら、キラキラ輝く夜の遊園地へ、初Hは、僕のお家のフカフカベッドで、それが僕の今の夢」
はれて恋人同士となったのに、なぜかツレない僕の恋人。それは一体なぜ・・・?

兄さんの出張劇場。
兄さんの六畳半劇場。

前作『僕の愛の劇場。』からの、相原×林さんの、遠距離恋愛芸人カップル。
出張で大阪に来た兄さん、夏休みを相原の部屋で過ごす兄さんのお話。

photo
別れる2人の愛の劇場。 (MARBLE COMICS)
北別府ニカ
ソフトライン 東京漫画社 2008-05

by G-Tools , 2008/05/20

別れる2人の愛の劇場。
キラキラなアイドル、上野が、健気で泣けます(涙)
梅田に近づきたくて、芸能界に入り、努力をしてきたっていうのにね。
全く「梅田さん、少しは調子に乗ってくださいよ!」って感じでした。
だって、それじゃなきゃ、上野の努力が報われないもの。
でも、そんな謙虚な梅田だから、良いんでしょうね。
梅田は、自分とはつりあわないとか、ぐるぐる悩むわりには、何かオトコマエでカッコイイ。

とろける十代」と「東口ネオンサイン」は、お後がよろしいようで・・・と、いうようなお話で、クスクスと笑ってしまいました。

姉のおさがり」は、JUNEテイストなお話で、興味深かったです。
こういうお話も、描かれるんですね・・・。
切ない話だと思ったけれど、結局、二人は、相思相愛ですよね?
流され侍でロクデナシの義兄だけど、本命はやっぱマサくんだった・・・という事だといいな。

兄さんの出張劇場。」と「兄さんの六畳半劇場。
前作『僕の愛の劇場。』で読んで、気になって気になって仕方が無かったカップルだったので、また読めてとっても嬉しかったです。
特に、「兄さんの六畳半劇場。」は、良かったです。
遠恋ならではの、他人から見たら、何気ない日常のような日々が、何にもかえ難い特別な日々で・・・というのが、幸せそうでとっても良かったです。胸がきゅきゅ〜っとしました。
このカップルは、すっごく好き。

ところで。前に、何気に人を殴るシーンが多くて気になる・・・と、こぼした所、密かな願いが届いたのか、今回の『別れる2人の愛の劇場。』では、私にとっては、引っ掛かるような所も無く、すらすら〜っと読めて、スッキリ〜♪でした。
もー、ほんと、ますます大好きな作家さんです。

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それは罪なアナタのせい

  1. この本の著作者 :
  2.  萩野シロ
  3.  夏目イサク
  1. 2008.
  2. 05.
  3. 17
  4. (Sat)
  5. 23:47

萩野シロさんの小説です。イラストは夏目イサクさんです。
何やらコメディのかほりが漂っていたので、購入してみました。

・・・ってさ、買って読んだのGWくらいかな?
GWに読んだ本、未だに、記事にしきれていないんですけど(-_-;)
それは自分のPCがリビングにあるせいなんだなー。
「何、書いてるの?」って簡単に覗かれちゃうのよ。
困るよねぇ・・・。

どんなお話かと言いますと・・・

ナルシストでちょっとおバカな高校生・斉賀。
自分よりも恰好イイ下級生・夏木の存在を知り偵察に向かうが、その顔を見る前に階段から転げ落ちてしまう。
助けてくれたのは、王子様のように綺麗でキラキラきらめく笑顔の持ち主……こ、これが夏木!?
優しく指が触れる感触さえイイと感じて、動悸息切れ目眩に襲われ、眩い笑顔に見惚れてしまうばかりか、愛しいなんて思ってしまった。
これってまさか……恋!? 書き下ろしつき♥
(『それは罪なアナタのせい』書籍裏の内容紹介より引用しました)

・・・というようなお話です。

「俺って格好いい!」と、堅く信じて疑わなかったナルシストの斉賀が、恋に落ちたとたん、白旗揚げて完敗モードに入り、斉賀の興味はひたすら夏木へと向かい・・・夏木の挙動に一喜一憂し、振り回される振り回される。
斉賀の世界は、夏木王子様中心に回っています。
それが、恋なんだね・・・うんうん。

それだけに、斉賀の一喜一憂ぶりが凄まじくて。
些細な事で、自分の世界の中でアレコレ思い悩んで、舞い上がったり沈んだりと激しい。

王子様のように綺麗でキラキラきらめく笑顔の持ち主の夏木は、王子様ゆえに、数多のスキスキビームをかわし、皆の者と公平なお付き合いを心がけているようなのですが・・・天然のタラシ!?人の流す涙に弱くて・・・

でも、その行為が、幼い頃の母親との思い出からっていう所が、なんとも、切なかったです。
いくら母親でも、高校生の息子には、そんな事、しませんから!

そして、夏木は、モテモテで、来る者を拒んだり受け入れたりするだけで精一杯で過ごして来た為に、自分から人にアクションを起こす、という事を知りません。
相手の気持ちを考えて、自分から何かしてあげる・・・というような?
たぶん、アレだ、自分が考える前に相手から要求されて来たんだね?

だから、相手から何も言われなかったら、それで善しとして、何も考えずに来ちゃったんでしょう。
でもさー、こういう人っていますよね・・・いや・・・いるんだよ。私の身近にも。
こういう人が相手だと、ひじょうに厄介ですね。

そんな夏木に、斉賀は、延々と悩み続けるんです。
この辺りから、もう、切ないです。

そして、斉賀はいよいよキレます。
当たって砕けろ!のまさに体当たり。[受]なのに。
涙ぐましい・・・

なんと言うか・・・意思の疎通が出来ない人っていうのは、いますよね?
どういうふうに言ったら、解ってもらえるのか、悩むっていう・・・。
しかも、夏木くんは、解らないなりに、解ろうとしてくれるんですね。

だから、読んでいて非常にもどかしくて辛かったです。
この辺りで、私は、うっかり現実に引き戻されちゃって(^^;)鬱々としてしまいましたよ。

おかしな二人で、おかしな恋愛模様。
なのに、やたら現実味のある悩みに、切なさ倍増?
笑っていいやら切ないやら・・・ちょっと不思議な読後感。

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ホテル・ラヴィアンローズ

  1. この本の著作者 :
  2.  高遠琉加
  3.  北上れん
  1. 2008.
  2. 05.
  3. 16
  4. (Fri)
  5. 12:51

高遠琉加さんの小説です。イラストは北上れんさんです。
久々に読んだかも。高遠琉加さんの小説。
やっぱり好きだわ〜、癒される・・・。

全体的に、センチメンタルでドラマティックなお話だったなぁ・・・という印象が残りました。

こちらのお話は、「ホテル・ラヴィアンローズ―青―」と「ホテル・ラヴィアンローズ―赤―」という雑誌掲載ぶんと、書き下ろし「薔薇色の人生」の、3編に分かれていて、別なカップルで違うお話になっています。
実は、「ホテル・ラヴィアンローズ―赤―」は雑誌で読んでしまっていて、あまり好みでは無かったので、正直、買おうかどうか迷ったんです。
でも、買って良かったです!

どんなお話かと言いますと・・・

街中に建つ瀟洒なプチホテル『ホテル・ラヴィアンローズ』。
レトロで洒落たホテルの夜を妖しく彩るのは、駆け落ち、熱い思い出、そして奪う愛――!!
純愛と情熱が交錯するロマンス、書き下ろし作品も収録!
(『ホテル・ラヴィアンローズ』書籍裏の内容紹介より引用しました)

ホテル・ラヴィアンローズ―青―
感情を表に出す事が苦手で、クラスで孤立している高校二年の久住は、同じクラスで棒高跳びの選手である滝口の、空へ高く跳ぶ様子に魅せられ、放課後、密かに滝口をデジカメで撮っていたのでしたが、その事が化学教師に知られて・・・?
ホテル・ラヴィアンローズ―赤―
街中に建つ瀟洒なプチホテル・「ホテル・ラヴィアンローズ」。
寡黙で精悍なフロント係の数樹は、毎週金曜の夜に決まって「赤」の部屋に泊まりにくる、ワケありげな美人サラリーマン・浅海のことが忘れられなくて……!?
(『ホテル・ラヴィアンローズ』書籍裏の内容紹介より引用しました)
薔薇色の人生
戦争が終わって5年、戦争で父を失い家を失った13歳の千尋は、戦後没収された生家の庭に、病気の母の為にと、母が好きなエリカの花を盗みに忍び込んだのでしたが・・・?

・・・というようなお話です。

「La vie en rose」と言えば、エディット・ピアフなんでしょうけれど、私の愛聴盤は、サッチモの「La vie en rose」
しかし、「薔薇色の人生」作中の、千尋のお店のラジオから流れるのは、やはり、エディット・ピアフの「La vie en rose」なのでしょうね。
昨年、『エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜』(映画)を見たばかりなので、未だに、脳内再生(^_^;)が可能です(笑)

さてさて・・・

今は廃墟となってしまった、「ホテル・ラヴィアンローズ」に関わった人々のお話です。

ホテル・ラヴィアンローズ―青―」は、ぎゅぎゅ〜っと胸が締め付けられるような思いで読み終えました。
こちらのお話は、廃墟となった「ホテル・ラヴィアンローズ」から始まり、過去に遡るお話なので、読む前から、失う予感があり、よけいに切なく思えてしまうんです。

撓るグラスファイバーのポール、青い空に放り出される身体、夕暮れ、暗闇、バイク。

「青い空に放り出される身体」という開放的な映像(自分勝手な脳内再生映像ですけれども)とは対照的に描き出される子供たちの閉塞感に、溺れそうなくらい苦しかったです。
けっして口にする事が出来ない秘密を抱えつつも、閉塞した日々の中で手に入れた、二人の秘密を共有したキラキラした時間の、その儚さも悲しくて。
そして、後に知る事になる滝口が起こした事件の真相の陰には、残された短い時間に対する、滝口の焦りが感じられます。

そんな二人がチェック・インした、「ホテル・ラヴィアンローズ」の部屋は、「青」の部屋。
青い空は、やっぱり子供たちでは手に入れる事は出来なくて。
「ホテル・ラヴィアンローズ」の天井は、まがいものの青い空。

しかし、久住は、「ホテル・ラヴィアンローズ」の「青」の部屋で、滝口を失った事によって、勇気を手に入れたんですね。

やがて二人は、青い空を手に入れた大人になって、廃墟となった「ホテル・ラヴィアンローズ」で再会します。
そこで、やっと久住は、久住にとっての憧れた青い空を手に入れるんです。

喪失した過去は、二人の心の中で残り続け、また、朽ちてもなお、未来への希望をくれた「ホテル・ラヴィアンローズ」
「喪失」した過去が、廃墟で新たな「再生」を果たしたお話。

ホテル・ラヴィアンローズ―赤―」は、心中に失敗して過去の亡霊に怯え、まるで未亡人のように生きる気弱な美人サラリーマンと、図々しく強引なホテルマンとの、お話です。

幽霊が出るという噂の、「ホテル・ラヴィアンローズ」の「赤」の部屋。
そこに、毎週金曜の夜に決まって赤の部屋に泊まりにくる浅海の過去と、幽霊の噂が関係ありそうだと気付いた、「ホテル・ラヴィアンローズ」フロント係の数樹は、好奇心からと浅海の美貌に惹かれ、浅海に近づき、関わるようになります。
過去に縛られ続ける浅海に、イライラしながらも、浅海を過去から現在へすくい上げる数樹は逞しく、まさに情熱の男。

過去と決別できずにいるのに、そんな数樹に、よろめいてしまうんですな。浅海は。ふっふっふ・・・。

浅海を過去に縛る小道具として出てきた、「回転木馬」のオルゴール。しかも、楽曲はトロイメライ。
呪いのようですね。これは。終わらない夢。

閉園時の「回転木馬」は、浅海にとっては残酷だと思いましたが、夢から覚めてもらわなければなりませんから。

ここで、数樹の本気を見せられましたね。
これくらい、強引で図々しくないと、浅海を過去からすくい上げられなかったかもしれないな・・・と思いました。

このお話では、「喪失」→「再生」が「ホテル・ラヴィアンローズ」が営業中であった「現在」の中で繰り広げられています。

私は、数樹と同様に、浅海には、もう、イライラ。
しかも、ありえないですよね〜?こんなホテルマンは。
あまり好きになれない二人だったかな・・・

が、しかし、美人で気弱でえっちな身体の浅海と、強引でイジワルな数樹は、お似合いと言えばお似合いだわ。

薔薇色の人生」は、「ホテル・ラヴィアンローズ」がホテルとして使われる前のお話です。
戦争が終り、何もかも失くした千尋と、新しい時代を夢見る健志の、恋のお話で、二人は新制中学の中学生です。

「じゃあ、大きくなったら、あの家、取り戻せばいいよ。」
「だって、戦争は終わったんだからさ」

失くしたものを思うばかりだった千尋は、健志と出会った事で、未来に希望を見い出す事が出来るようになり、二人は恋心を育てて行ったのですが、やがて離れ離れに。

「いつか、絶対にまた会おう。会えるよ。あの家、取り戻すんだろう?」

その言葉を心の糧として、二人は、懸命に生きて来たんだと思います。
この話、ほんと、ヤバイ(涙)

「喪失」が希望を繋ぎ「再生」を果たし、それが「ホテル・ラヴィアンローズ」に。そんなお話。

◆◇◆◇◆

いやいや〜、些かドラマティックなお話ではありましたが、人が幸せになる話は、やっぱり嬉しいわけで。
特に、子供たちの、幼いながらも助け合ったり労わりあったりして成長して行く、という話には弱いです。

高遠琉加さんの小説を読んでいると、いつの間にか「ボーイズラブ」だという部分を忘れている事が多いんです。
登場人物が、男でも女でも無い人としての本質っていうのかな・・・その部分で係わりあって行く、というお話が多いからかもしれません。

そう言った意味では、BL本以外もバリバリ読む、本好きな活字読みさんにも、満足なお話だったのでは?と思いました。

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千一秒物語

  1. この本の著作者 :
  2.  トジツキハジメ
  1. 2008.
  2. 05.
  3. 15
  4. (Thu)
  5. 14:55

トジツキハジメさんのコミックです。
双子の兄弟モノです。
「猫耳眼鏡譚」という全く別のお話も収録されています。

ず〜っと、雑誌を買って追いかけて読んでいたので、迷わず購入です。

どんなお話かと言いますと・・・

俺の名は町屋千乃介、17歳。好きな奴は双子の兄の一こと一乃介だ。
好いたらいかん。伝えたらいかん。バレたらきっと嫌われる。
分かっちゃいるが、どうか俺に一を好きと言える勇気をくれ。
トジツキハジメが贈る甘ずっぱい愛と青春ストーリー、描き下ろしも加えて堂々見参!
(『千一秒物語』書籍裏の内容紹介より引用しました)

・・・というようなお話です。

えーと、双子の兄弟間での恋愛のお話ではありますが、近親相姦はありません。
高校生のキラキラとした学校生活やら恋愛模様が、生き生きと描かれています。
千乃介たち高校生は、イマドキの高校生なんですけれども、どこか(どこかしら?)の地方都市という設定らしく、千乃介たちが話す言葉は方言で、和室で大きな座卓を置いた部屋が出てきたり、子供の頃の回想シーンで、神様の森の言い伝え等が出てきたりと、どこかノスタルジックな雰囲気が。

いやいや・・・そう思うのは、私にとって、子供時代は過ぎ去った遠い過去だから、そう思えるのかもしれません。

千乃介(弟)は、人の頭の中を覗く事ができるサイキッカーなのですが、子供の頃、一乃介(兄)から、勝手に他人の頭の中を覗くのは止めて、人の言う事を信じろ、と言われ、大好きな兄に嫌われないように、能力を出来るだけ封印してきました。
しかし、募る想いに負けて、ある時、兄の頭を覗いてみると・・・兄の頭の中は真っ黒で、何も見る事が出来ませんでした。
いよいよ、兄は自分の事をどう思っているのか、気になって気になって・・・?
・・・というのが、概ねのあらすじです。

主人公の千乃介が、明るい性格で、無邪気に一途に兄の事を想うので、全体的にキラキラした明るい、いかにも若者らしい恋愛のイメージのお話になっていますが、真面目で思慮深い一乃介は、いつか将来、起こるかもしれない千乃介の心変わりや、倫理を考え、深く思い悩むのです。

なので、その、一乃介の想いがいっそう切なくて、「禁忌」という事を深く考えさせられるお話になっていると思いました。

うん。この「暗さ」が、トジツキハジメさんらしいかな。
そして、この兄弟の恋愛は、発展途上にあって、まだ、これからも続くんだろう・・・という余韻?
これが、けっこう良かったかも?

一回通して読んで、なんだー、これで終りかよ!と思ってしまった方、何回か読んでみると、その、もやもや〜っとした余韻が楽しめるようになるかもしれません。
本当か?(-_-;)
保証は出来ませんが。

しかしね、なぜ、千が一の頭の中を覗く事が出来なかったのか?知りたかったなー。

収録の『猫耳眼鏡譚』(描き下ろし含む)は、怪しげな眼鏡店の眼鏡のお話。
あんな眼鏡があったら、私もかけてみたいかも(笑)
それとも、彼氏にプレゼントしてみる?

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悲しみの涙はいらない

  1. この本の著作者 :
  2.  水原とほる
  3.  ヤマシタトモコ
  1. 2008.
  2. 05.
  3. 14
  4. (Wed)
  5. 13:33

水原とほるさんの小説です。イラストはヤマシタトモコさんです。
なんと!すっきりハッピーエンドで救われるお話でした。良かったです!
いやいや〜、BLなんだから普通そうでしょう・・・でも、水原とほるさんですよ?
ダリアだからかな?

ここ最近、『青の疑惑』→『小夜時雨の宿』と、読んでみて、水原とほるさんが書かれる小説の傾向が変わって来たなと思っていたのですが、先日、『午前一時の純真』を読んで、また戻った!(笑)と思い、もういいかな?と。
それなのに、やっぱり買っちゃうんだな。コレが。
たぶん、水原とほるさんじゃ無かったら、こういうセンスのタイトルでは、手に取らなかったかも?
まあ、それは私の好みの問題ですけれども(^_^;)

どんなお話かと言いますと・・・

母親に捨てられ、義父の借金のカタとして金融業を営む国枝に引き渡された遥。
その美しく儚げな容貌で借金返済のために売春を強要されてきた。
男達からの陵辱に耐えるため、固く心を閉ざしていたはずなのに、気まぐれに自分を抱いた国枝の言葉に何故か傷ついてしまう。
端整な顔立ちだが冷たい目をした国枝の冷酷さに怯えながらも、垣間見える彼の孤独と優しさに遥の心は揺れ動き…。
(『悲しみの涙はいらない』書籍裏の内容紹介より引用しました)

・・・というようなお話です。

ろくでもない母親の為にコロコロと父親が変わり、あげくの果てには、母親に捨てられ、義父から暴行を受け、義父の借金のカタに売られて売春を強要される・・・という、散々な目に遭ってきた、高校二年の遥が主人公です。

幼い頃から不幸な境遇で生きてきた遥は、さめていると言いますか、何か達観したところがあって、何にも誰にも期待なんてしていないんですね。
自分の不幸な境遇を、無駄に嘆いたり拗ねたりなんかしない。
そんな事をしても何が良くなるわけでは無いという事を知っているから。

まだ17歳だと言うのに・・・(涙)

遥を売春させていた国枝は、やがて、遥を自分の元に置き、「学校へ行きたい」という遥の希望を聞き入れるものの、遥の事を「いろんな男の手垢がついた淫らな身体だ」と言いながら陵辱し、遥を自分の元に縛り付けます。
そして、遥を学校へ通わせるのは、高給取りになって早く借金が返せるように、という理由だと国枝から言われますが、遥は、もっと手っ取り早く自分をお金に換える方法があるのに、それをやらない国枝に優しさを見い出してしまいます。

国枝が遥を手元に置きたいと思ったのは、何もかも諦めたような顔をしている遥が、自分と似ていると思ったからで。

そんな国枝もまた、不幸な境遇を生きて来た人だったんですね。
もちろん、国枝も遥と同様に、周りに何を望むわけでも無く、施設を出た後は、自分の力でここまでのし上がって来たのだと思いますが、そんな自分だったからこそ、まだ17歳という子供である遥には、何かを与えたかったんじゃないかな?と感じました。

この二人、一緒に暮らすうちに、お互いに、思い遣る気持ちが出て来たり、与えられる事に喜びを見い出したり、仕舞いには、自分がして貰いたい事を相手に口にするようになります。
(特に、国枝ですね。遥は、最初から国枝に対しては、感謝の気持ちを持っていますから。)

相手に頼りたいという気持ち?それは「甘え」というものだと思うのですが、それって、相手を信頼しているからこそ、ですよね?

暴力に対する怯えがあったとしても、遥は、優しいし健気だし。
これで、可愛がられなけりゃ、救われません。

国枝は、遥に「いろんな男の手垢がついた淫らな身体だ」と言っては、自分に縛りつけて来ましたが、後には「自分の身体はきれいじゃない」と涙を流す遥を宥めたり、「おまえは汚れてなどいない」と言います。
国枝こそ、人を殺めた過去がある、汚れた男だったからです。

遥は、これでもマシなほうなんだと、仕方が無いと割り切って、男たちに身を任せていたせいで、コアな部分は傷がつき難かったように思いましたが、けっしてそうでは無くて。
あたり前ですよね・・・(涙)
国枝も、実は、その部分をひじょうに気にしていたんじゃないかな?と思いました。

それなのにさー、国枝は、あんな言葉と態度で、遥を縛りつけて。
しかも、自分こそが汚れていると思って、遥にマトモに手を出す事に躊躇していたなんて。
どんだけ不器用なんだ!

冷酷で合理的だと思った国枝が、遥と出会って、変わって行くのは読んでいて嬉しかったし、不幸な境遇にありながら、賢くて健気な遥には泣けました。

それにしても、国枝。不器用すぎるよね?
ああ!こちらの二人のらぶらぶなその後が読みたいわ〜。
水原とほるさんの小説を読んで、そんな事を思ったのは、初めてかも?

ちなみに、暴力や性描写は、微細に亘った表現では無かったように思いました。
ダリアだから?

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どっちにしても俺のもの

  1. この本の著作者 :
  2.  久我有加
  3.  夏目イサク
  1. 2008.
  2. 05.
  3. 12
  4. (Mon)
  5. 15:51

久我有加さんの小説です。イラストは夏目イサクさんです。
ぐはーっ。読み終わってみるとすっごく切ないお話でした。

こちらの本は、「どっちにしても俺のもの」と「どっちにしても君のもの」という雑誌掲載ぶんと、書き下ろし「どっちにしても同じこと」の、3編に分かれていています。
書き下ろしの「どっちにしても同じこと」は、出会ってから10年後の二人のお話です。

どんなお話かと言いますと・・・

心機一転、関東から関西の大学に入学したものの、言葉やノリの違いに馴染めずにいた保英。
そんな保英に率先して絡んでくるのが、顔もいい家柄もいい、おまけにしゃべりも面白い、自他ともに認めるモテ男の瀬良だ。
きつい関西弁で容赦なくツッこんでくるくせに、自分に向かって「好き」を連発する瀬良に振り回される毎日を過ごすうち、保英は瀬良の妙な色気に当てられ始め……!?標準語×関西弁カップル登場!!
(『どっちにしても俺のもの』書籍裏の内容紹介より引用しました)

・・・というようなお話です。

なんだかなぁ・・・最初は、瀬良[受]ってちょっと好きになれなくて。
え、だってね、あんなふうに「好き〜」って、思わせぶりな態度で男の子を、蜘蛛の巣にだんだん絡めとって行く女の子って、周りでよく見かけるでしょう?「あ、またやってるよ〜、あの子」みたいなね。
そんな女の子に似ているような感じがしたんです。

だから、瀬良は、久我有加さんらしくない登場人物だなーと、眉間にシワを寄せつつ読んでいました。しばらくは。

そして、やがて二人がらぶらぶになって行くと・・・
瀬良の、男を惑わす悪女のような振る舞いに唖然とし、襲い受けっぷりを萌え萌えで楽しみつつも(笑)保英[攻]に同情し首をひねるという感じで。

それがですね、こちらのお話の最後の方で、瀬良の悪女(?)のような振る舞いのワケが明らかになるのです。

ぐはーっ、これが切ない!切ないよ!

保英を、正攻法では無いやり方で手に入れ、身体を使ってめろめろに・・・というのには、ある意図があったんですね。
なんだか、やりきれない気持ちになっちゃいました(涙)

書き下ろしの「どっちにしても同じこと」は、良かったです!
瀬良の臆病な心を知った保英が、長い年月をかけ、今度は瀬良をめろめろに(笑)
瀬良を不安にさせたくなくて、いつも瀬良と正面から向き合う、強くなった保英と、保英の本気を見せ続けられて、固い鎧がだんだん解けて行った瀬良の様子が、良かったです。

そんなわけで、読み終わってみると、やっぱり、久我有加さん好きだ〜!という感想なわけで。
そして、こちらのお話は、今までに無い、一粒で二度美味しいお話だと思いました。
毒を含んでいましたね。その毒が、読み終えてみるといい感じで楽しめたと言いますか。
しかも、その毒が上手に浄化されたお話になっていて、それが、やっぱり久我さんらしいなぁと思いました。

えー、久我有加さん的濡れ場って、エロくないと言いますか・・・。いや、けっして悪い意味では無く、良い意味で。
それは、何か、あたたかくて幸せイッパイでご馳走様♪という感じ?
それが、今回のお話では、あからさまなエロスも仕込んであって、ひじょーに美味しかったです。ご馳走様(*^-^)ニコ

ところで・・・関西弁?というか関西の方々?
私も、関西の方々に囲まれて生活していた事がありますので、保英の気持ちはよ〜く判ります。
ノリが悪いとか言われてもねー。ツッコミとか別にいいから。しかも何かいつも一言多いよ?(怒)なんて、具合でしたね(-_-;)

逆に、東のほうに転勤で来た関西の方は、「こっちの人ってみんな冷たい・・・」とよくおっしゃっていましたね。
それで、「ここ、笑うトコロですよ〜」って言って、よく困った顔をしていたのが、印象に残っています。
ああ!ごめんなさい!

ちなみに、久我さんの作品には、こちらの『どっちにしても俺のもの』とは逆パターンの、関西から関東に来て孤独になっちゃうサラリーマンのお話、『春の声』などもあります。

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