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ネタバレ御免!煩悩の赴くままに読み漁った、
BL(ボーイズ・ラブ)本読書感想ブログです。

BL偏愛読書録

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ホテル・ラヴィアンローズ

  1. この本の著作者 :
  2.  高遠琉加
  3.  北上れん
  1. 2008.
  2. 05.
  3. 16
  4. (Fri)
  5. 12:51

高遠琉加さんの小説です。イラストは北上れんさんです。
久々に読んだかも。高遠琉加さんの小説。
やっぱり好きだわ〜、癒される・・・。

全体的に、センチメンタルでドラマティックなお話だったなぁ・・・という印象が残りました。

こちらのお話は、「ホテル・ラヴィアンローズ―青―」と「ホテル・ラヴィアンローズ―赤―」という雑誌掲載ぶんと、書き下ろし「薔薇色の人生」の、3編に分かれていて、別なカップルで違うお話になっています。
実は、「ホテル・ラヴィアンローズ―赤―」は雑誌で読んでしまっていて、あまり好みでは無かったので、正直、買おうかどうか迷ったんです。
でも、買って良かったです!

どんなお話かと言いますと・・・

街中に建つ瀟洒なプチホテル『ホテル・ラヴィアンローズ』。
レトロで洒落たホテルの夜を妖しく彩るのは、駆け落ち、熱い思い出、そして奪う愛――!!
純愛と情熱が交錯するロマンス、書き下ろし作品も収録!
(『ホテル・ラヴィアンローズ』書籍裏の内容紹介より引用しました)

ホテル・ラヴィアンローズ―青―
感情を表に出す事が苦手で、クラスで孤立している高校二年の久住は、同じクラスで棒高跳びの選手である滝口の、空へ高く跳ぶ様子に魅せられ、放課後、密かに滝口をデジカメで撮っていたのでしたが、その事が化学教師に知られて・・・?
ホテル・ラヴィアンローズ―赤―
街中に建つ瀟洒なプチホテル・「ホテル・ラヴィアンローズ」。
寡黙で精悍なフロント係の数樹は、毎週金曜の夜に決まって「赤」の部屋に泊まりにくる、ワケありげな美人サラリーマン・浅海のことが忘れられなくて……!?
(『ホテル・ラヴィアンローズ』書籍裏の内容紹介より引用しました)
薔薇色の人生
戦争が終わって5年、戦争で父を失い家を失った13歳の千尋は、戦後没収された生家の庭に、病気の母の為にと、母が好きなエリカの花を盗みに忍び込んだのでしたが・・・?

・・・というようなお話です。

「La vie en rose」と言えば、エディット・ピアフなんでしょうけれど、私の愛聴盤は、サッチモの「La vie en rose」
しかし、「薔薇色の人生」作中の、千尋のお店のラジオから流れるのは、やはり、エディット・ピアフの「La vie en rose」なのでしょうね。
昨年、『エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜』(映画)を見たばかりなので、未だに、脳内再生(^_^;)が可能です(笑)

さてさて・・・

今は廃墟となってしまった、「ホテル・ラヴィアンローズ」に関わった人々のお話です。

ホテル・ラヴィアンローズ―青―」は、ぎゅぎゅ〜っと胸が締め付けられるような思いで読み終えました。
こちらのお話は、廃墟となった「ホテル・ラヴィアンローズ」から始まり、過去に遡るお話なので、読む前から、失う予感があり、よけいに切なく思えてしまうんです。

撓るグラスファイバーのポール、青い空に放り出される身体、夕暮れ、暗闇、バイク。

「青い空に放り出される身体」という開放的な映像(自分勝手な脳内再生映像ですけれども)とは対照的に描き出される子供たちの閉塞感に、溺れそうなくらい苦しかったです。
けっして口にする事が出来ない秘密を抱えつつも、閉塞した日々の中で手に入れた、二人の秘密を共有したキラキラした時間の、その儚さも悲しくて。
そして、後に知る事になる滝口が起こした事件の真相の陰には、残された短い時間に対する、滝口の焦りが感じられます。

そんな二人がチェック・インした、「ホテル・ラヴィアンローズ」の部屋は、「青」の部屋。
青い空は、やっぱり子供たちでは手に入れる事は出来なくて。
「ホテル・ラヴィアンローズ」の天井は、まがいものの青い空。

しかし、久住は、「ホテル・ラヴィアンローズ」の「青」の部屋で、滝口を失った事によって、勇気を手に入れたんですね。

やがて二人は、青い空を手に入れた大人になって、廃墟となった「ホテル・ラヴィアンローズ」で再会します。
そこで、やっと久住は、久住にとっての憧れた青い空を手に入れるんです。

喪失した過去は、二人の心の中で残り続け、また、朽ちてもなお、未来への希望をくれた「ホテル・ラヴィアンローズ」
「喪失」した過去が、廃墟で新たな「再生」を果たしたお話。

ホテル・ラヴィアンローズ―赤―」は、心中に失敗して過去の亡霊に怯え、まるで未亡人のように生きる気弱な美人サラリーマンと、図々しく強引なホテルマンとの、お話です。

幽霊が出るという噂の、「ホテル・ラヴィアンローズ」の「赤」の部屋。
そこに、毎週金曜の夜に決まって赤の部屋に泊まりにくる浅海の過去と、幽霊の噂が関係ありそうだと気付いた、「ホテル・ラヴィアンローズ」フロント係の数樹は、好奇心からと浅海の美貌に惹かれ、浅海に近づき、関わるようになります。
過去に縛られ続ける浅海に、イライラしながらも、浅海を過去から現在へすくい上げる数樹は逞しく、まさに情熱の男。

過去と決別できずにいるのに、そんな数樹に、よろめいてしまうんですな。浅海は。ふっふっふ・・・。

浅海を過去に縛る小道具として出てきた、「回転木馬」のオルゴール。しかも、楽曲はトロイメライ。
呪いのようですね。これは。終わらない夢。

閉園時の「回転木馬」は、浅海にとっては残酷だと思いましたが、夢から覚めてもらわなければなりませんから。

ここで、数樹の本気を見せられましたね。
これくらい、強引で図々しくないと、浅海を過去からすくい上げられなかったかもしれないな・・・と思いました。

このお話では、「喪失」→「再生」が「ホテル・ラヴィアンローズ」が営業中であった「現在」の中で繰り広げられています。

私は、数樹と同様に、浅海には、もう、イライラ。
しかも、ありえないですよね〜?こんなホテルマンは。
あまり好きになれない二人だったかな・・・

が、しかし、美人で気弱でえっちな身体の浅海と、強引でイジワルな数樹は、お似合いと言えばお似合いだわ。

薔薇色の人生」は、「ホテル・ラヴィアンローズ」がホテルとして使われる前のお話です。
戦争が終り、何もかも失くした千尋と、新しい時代を夢見る健志の、恋のお話で、二人は新制中学の中学生です。

「じゃあ、大きくなったら、あの家、取り戻せばいいよ。」
「だって、戦争は終わったんだからさ」

失くしたものを思うばかりだった千尋は、健志と出会った事で、未来に希望を見い出す事が出来るようになり、二人は恋心を育てて行ったのですが、やがて離れ離れに。

「いつか、絶対にまた会おう。会えるよ。あの家、取り戻すんだろう?」

その言葉を心の糧として、二人は、懸命に生きて来たんだと思います。
この話、ほんと、ヤバイ(涙)

「喪失」が希望を繋ぎ「再生」を果たし、それが「ホテル・ラヴィアンローズ」に。そんなお話。

◆◇◆◇◆

いやいや〜、些かドラマティックなお話ではありましたが、人が幸せになる話は、やっぱり嬉しいわけで。
特に、子供たちの、幼いながらも助け合ったり労わりあったりして成長して行く、という話には弱いです。

高遠琉加さんの小説を読んでいると、いつの間にか「ボーイズラブ」だという部分を忘れている事が多いんです。
登場人物が、男でも女でも無い人としての本質っていうのかな・・・その部分で係わりあって行く、というお話が多いからかもしれません。

そう言った意味では、BL本以外もバリバリ読む、本好きな活字読みさんにも、満足なお話だったのでは?と思いました。

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COMMENTS

まひる様 こんにちは!

はわわ〜高遠先生×北上れん先生だなんて!幸せすぎますvvv

最近は何を買っていいのか分からず、一般文芸ばかり読み漁っていたので、明日早速買ってこようと思います♪♪

今から楽しみですvvv
あ、蛇恋の禊も面白かったです!相変わらず救いのない感じが(笑)容赦なくて好きです。
久隅さんの方の話でもう1冊位出そうですね!

イラストも良かったです!

>藍乃さん

こんにちわ〜!いらっしゃいませ〜!
こちらは、救われるお話なので、癒されちゃってくださいね。
北上れんさんのイラストは、きれいでしたよ。

>蛇関係(^_^;)
蛇恋の禊のあとがきに書いてありましたね。
蜘蛛のほうですね。楽しみです。

そう言えば、アニメ関係は、いつも、藍乃さんのブログを参考にさせていただいています。
だって、最近のアニメって多すぎるんだもの。

え、蜘蛛?

こんにちわ!

次蜘蛛の話がでるんですか(立ち聞き?)
関西の話も読みたいと思ってるんですけど(笑)
ちなみに蜘蛛嫌いなので変換するのもいやあ<(>o<)>
奈良さんの絵は横目でみました。

3話めの千尋たちの、その後も気になるですよ。
結局屋敷は手放したってことに?
考え過ぎですか(笑)

えーと、あとがきに

>ばーどさん

いらっしゃいませ〜!

>蜘蛛
『蛇恋の禊』のあとがきに、チラリと書いていませんでしたか?
『蜘蛛の褥』『蛇淫の血』シリーズで、あともう一冊書きます・・・みたいな話が。

>「薔薇色の人生」
そうそう・・・「青」では、廃墟になっているんですよね。
屋敷をホテルにしたのは、東京オリンピックの頃だから・・・今、生きているとすると、70歳前くらい?
健志の会社で買ったけれど、別の会社でやらせるとかナントカっていう話だったですよね。
出来れば、千尋がホテルのカフェをやって・・・っていう幸せな話も読みたいですよね。
私も、気になって、読み終えた後、二人は今はいったい何歳だ?と、数えてしまいましたとも!
幸せなら良いんですけれど・・・。

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