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真昼の月(下)

  1. この本の著作者 :
  2.  いおかいつき
  3.  海老原由里
  1. 2008.
  2. 06.
  3. 07
  4. (Sat)
  5. 00:41

いおかいつきさんの小説です。イラストは海老原由里さんです。
こちらは、『真昼の月(中)』の続きです。

良かったです!!萌えた!
ひと月一冊ずつ、・下、と読んできましたけれども、予想以上に良かったです。
(あわわ・・・すみません・・・)

どんなお話かと言いますと・・・

ヤクザの若頭・辰巳剛士と愛人契約を結んでいるマル暴の元刑事・神崎秀一。
強引で自分勝手な辰巳が頻繁に自分を抱きにくることに呆れていたが、今では秀一にとって辰巳はなくてはならない存在となっていた。
それでも付かず離れずの関係を保つ秀一の前に、刑事をやめる原因となった元相棒の東郷泰久が現れる。
かつて自分を裏切り、銃で撃った東郷に秀一は脅され、睡眠薬を飲まされ監禁されてしまい――!?
(『真昼の月(下)』書籍裏の内容紹介より引用しました)

※こちらは『真昼の月(中)』の続きです。
真昼の月(上)』→『真昼の月(中)』→『真昼の月(下)

・・・というようなお話です。

こちらの『真昼の月(下)』では、今まで築いてきた二人の絆とか相手に対するそれぞれの想い、出会ってから、それぞれの生き方についてどのように変化したのか、とか、そういうものの輪郭がくっきり見えてくるようなお話になっていました。
今まで、巻き込まれた事件によって、その都度二人は、お互いがどのような人間であるか、また、お互いが相手に対してどのような感情を持っているのか、対峙させられて知り、そして、絆を結びその絆を強くして行ったのですが、その過程を、下巻を読む事で、思い返す事が出来ました。
だから、読み終えた後は、今まで読んできた上・中巻のイメージというか・・・印象?が、少し変わったかもしれないです。
正直、萌えだけで、ちょっと薄味でダラダラした話だなと思っていたのですが、上・中巻は、ちゃんと噛み締めるようにして読まないといけなかったんだなぁと反省しましたよ(-_-;)

こちらのお話、この二人の距離感に萌える、と。そして、下手に甘々にはならないで欲しいと。そう書いて来ましたが、望んだ通りの結末で、大満足でした。

この二人の距離感っていうのは、独特だなぁと思って読んできたんですけれども、これ、この二人だからこそ、できる距離感なんでしょうね。
片方どうちらかでも、相手にもたれかかってしまったら、成り立たないですから。

辰巳は、ヤクザという稼業に就いているわけですから、いつも、いつ命を落とす事になってもそれは仕方が無い、と腹を括っている男。
だから、自分がやりたい事をやりたい通りにする。
そして、自分の行動の責任は、全て自分で背負う覚悟がある。

秀一は何事にも動じない冷静な強い男で、辰巳はそこに惹かれたわけですが・・・
秀一は、過去に同僚に殺されかけて、一度、魂が砕け散ってしまった男。
だから、ちょっとやそっとの事では、魂が傷ついたりはしないという事を知ったと思うんですね。限界を知った事で。
秀一の高潔さとか強さは、もとからあった物でしょうけれども、それで更に磨きがかかったんじゃないのかな?と、私はそんなふうに感じました。

そんな二人なので、お互いにもたれあったりなんかしない。
自分の守りたいものは、曲げないで守り通すし、責任を負う覚悟もある。
ちゃんと自分の足で立って生きているんですね。
だから、自分が侵してはならない相手の領域をきちんと認識できるし、それぞれには、それぞれの生き方があると認め合う。

それが、この二人の距離感なんだなぁと、思いました。

秀一が、辰巳に絆されてしまったのは、やっぱり一途さなのかな?と思いました。
それと、出し惜しみする事無く、自分が愛したいように愛するっていう、一見、強引で自分勝手な愛情?
押し付けがましいのに、押し付けがましく無い。
そこには、見返りなんて求める気持ちが微塵も無いから。

しかしね、辰巳はちょっとズルい(笑)
自分が贈った愛情や気遣いを、秀一が受け取り拒否できないような上手いタイミングで、秀一の足元にポトリと落とすんですよねー。
抜け目ないと言いますか、その度にニヤリとさせられました。
でも、それは、秀一に対する気遣いでもあるのかなぁと。
そんな所がまた可愛いんですけれども。辰巳は。オッサンくさいのにね。

ところで、秀一が父親のように慕っている向坂。
情のある素敵なオッサンでしたねぇ・・・。
大阪に来た時は、自暴自棄気味だった秀一が、本当の意味で、いろんな事を受け入れてここまで来れたのも、向坂が、その都度、秀一の背中を押してくれたからでしょうね。

さてさて。そんなわけで、私にとっては、萌えドコロ満載のお話だったわ〜。
秀一は年上のオトコマエ[受]だわ、辰巳は年下[攻]なのにオッサンくさいわ、でも、めろめろ?みたいな所が可愛かったり、とかね。
最後のほうに出てきた、辰巳が秀一に、東郷にされた事を問うお風呂場での「触られてないてか!」と驚くシーンには、思わず笑ってしまいましたよ。
いやいや〜、楽しませていただきました。

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