恋愛犯〜LOVE HOLIC〜
- 2008.
- 06.
- 13
- (Fri)
- 00:13
凪良ゆうさんの小説です。イラストはサクラサクヤさんです。
こちらも、積ん読本と化していた本です。やっと読みました。
面白かったです!!
どんなお話かと言いますと・・・
季節が夏に向かうとある日、日永望は街中で高校時代のクラスメイト、勢田春人を偶然に見かけた。
声をかけた瞬間、勢田は歩道橋から落下し、なんと記憶を失ってしまう。
そんな勢田を日永は自分のマンションへ引き取るが、なぜか彼の過去を説明しようとしない。
実は日永には、勢田をストーカーしたという過去があったのだ。
歪んだ過去を封印したまま、2人の奇妙な同居生活が始まったのだが……!?
罪にも似た妄執は、はたして本当の愛となり得るのだろうか?
(『恋愛犯』書籍裏の内容紹介より引用しました)・・・というようなお話です。
すっごく切ない話で、泣けました。やばい。
犯罪なのにー。
本当は、怖い話?気持ち悪い話?なんですかね?
[受]の立場に立って、または、[受]の親の立場にたって読むと、そう感じるような気がします。
こちらのお話は、日永[攻]側から書かれたお話です。
だから、日永の生い立ちや、勢田に対するストーカー行為をして捕まるまでの心情や、その後の勢田に対する気持ちなどが、事細かに語られています。
日永は、少し変わった男なのですが、窮屈で厳格な家庭に育ちそのせいで歪んでしまった、というよりも、自閉症とかアスペルガーの人に近いのかも?と思いました。
日永の思考は、単純で素直なゆえに、他人の複雑な情緒や言い回しが理解できず、それが他人との摩擦を生んでしまうんですね。
そして、単純で素直なので悪意というものも持ちあわせていません。
日永は、そんな自分の性格をよく把握していて。
社会生活で摩擦が無いように生きて行く為には、してはいけない事、しないほうが良い事、などが多いんですよね。
勢田の事も、沢山の人に迷惑をかけたし、そんな自分も怖く思えて、会いたくても、4年間ずっと我慢してきたんですよね。
だから、他人から見ると、ものすごく孤独なように思えて切なく思ってしまうのです。
「好き」という感情から派生する感情?見ていたい、話をしたい、ずっと側にいたい、喜ばせたい・・・それはやっぱりだんだんエスカレートして行くと思うんですよね。
エスカレートして行くのが怖い、その気持ちを抑えられなかったらどうしよう、そういう自分の怖さを、日永は感じているんです。
それなのに、日永は、過ちを犯してしまいます。
そして、もの凄く後悔するんですよね。
日永は、駄犬ですね。
一所懸命頑張るんだけれども、時々、自分で出した「待て!」が出来ないんです。
そして、ご主人様(勢田)が、喜ぶ事は何だってしたい。
でも、その事を申し訳なく思う勢田の複雑な心中は理解しきれなくて、勢田に遠慮されると「失敗だったのかな?」と思ってすぐにシュンとなっちゃったり。
だからなのかな?なんだかやけに好感が持てちゃったりするんですよ。困るよ!!
そして、この同居生活は、日永にとっては、初めてと言っていいほど他人と深く関わって行く事になったので、いろいろな戸惑いが生じて、浮いたり沈んだりで、それでも、一所懸命勢田の事を考えて、我慢したり反省したりするんです。
そんな日永が、もう、可愛いやら切ないやら・・・。
勢田は、明るくて気の優しい男なんですよ。
少し変わった男である日永をも、特別視していなくて、たぶん、日永の本質を見抜いていたように思いました。
だからなのかな?酷い事をされたのにも拘らず「もう、絶対に嫌な事はしないから」という日永の元へ帰って来ます。
その上、蛇の生殺し状態の日永を可哀相だと言うんですよね。
勢田が記憶喪失になって、日永が勢田と暮らした夢のような日々は、反面、卑劣な手段をとって得た日々であったので、全てが明らかになる日に怯えて暮らす日々でもありました。
自分が犯した罪、自分の過去を明らかにしなかった事、それから、夢のような日々を勢田が忘れてしまうという事。
「竜宮城に行った浦島太郎って、こんな気持ちだったのかな・・・」
(この言葉は、玉手箱を開けてしまってからの心情を察した言葉ですよね)
その、夢のような日々は、日永の想いが叶った頃に終りを迎えます。
でも、こちらのお話は、ハッピーエンドなんですよね。
勢田は、確かに嫌な目に遭って来たはずなのに、自分の為に一所懸命になる日永の事が、可愛くなってしまったのかもしれないなぁと思いました。
きっと、日永は、勢田を通して、もっとマシな社会生活が送れるようになるんじゃないのかな?そして、勢田ならちゃんと日永には「待て!」が出せるんじゃないかと。そうだといいな・・・。
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entry: 恋愛犯〜LOVE HOLIC〜
COMMENTS
こんばんわ!面白かったね。
専門家なら何か病名が付けられるんじゃないかと
私も思っておりました。
その割には結構客観的なとこもあるし(笑)
次の作品も楽しみなのだ(*^o^*)
面白かった!!
>ばーどさん
日永は、なんだか非常に生き辛そうな男でしたね。
私も、専門家じゃないからよくわかりませんが(-_-;)
こちらは、初めて読む作家さんでしたけれど、なかなか読ませる方ですよね。
こうなると、次回作にも期待が。



