遊覧船
- この本の著作者 :
- 藤たまき
- 2008.
- 06.
- 18
- (Wed)
- 10:41
藤たまきさんのコミックです。
乗り物好き(?)で旅好きな私の心をくすぐるタイトルだったのと、何かとても評判が良いらしいというので、購入してみました。
藤たまきさんのコミックを購入するのは、『アタ』以来です。
私の中では、何か上質で繊細なお話を描く方、というイメージがあります。
噂に違わず、良かったです!!
あたたか〜いお話でした。
どんなお話かと言いますと・・・
遊覧船乗り場の売店でバイトをする日和は、物書きの間宮のことが気になっていた。
間宮は何故か大変気前がよく、日和に事あるごとに高額な駄賃をくれる。
それはふたりが初めて寝た日もそうだった。
日和は激怒するが、実は間宮はお金でしか愛を得る術を知らない人で……。
表題シリーズ四篇を収録。日和と間宮のプレシャス・デイズ!
(『遊覧船』書籍カバーの内容紹介より引用しました)・・・というようなお話です。
確実で確かな確証を得る為に、お金を使う間宮。
それは、大切であれば大切なほど高額に。
「やさしいものははかない」という記憶と失う不安。
不安が大きければ大きいほど、お金を払って得ることに躍起になる。
「金や物は欲しくないんだ。あなたが好きだから」
金品を貰ってしまうと、自分が差し出すものの意味が変わってしまうと、金品を拒み続ける日和。
いやいや・・・どこまで行ってもすれ違いです。
日和のもどかしさが、そのまんま読者のもどかしさに。
もどかしくてもどかしくて、もうどうしてくれよう!という感じです。
金品を徹底的に拒み続ける日和が、必要にせまられて間宮の為に買い物をするのですが・・・その品物を贈られた事を、間宮がものすごく喜ぶんですよね。
そんな間宮を目の当たりにして、日和は今までの自分の行為について胸を痛めます。
日和は、優しくて純粋な良い子で・・・そんな彼だからこそ悩む姿が愛しくて、思わずギュっとしたくなりました。
日和の素直さが可愛くて可愛くて。
もー、間宮ってバカだー。
しかし、間宮のそのお金の使い方については、特殊な生い立ちのせいで、半ばトラウマのようなものでもあるので、なんとも切ない話なんですよね。
大富豪であったために、人にいちばん効き目がある(-_-;)お金を使う事が出来たんでしょう。その事で、確かな手応えを手に入れてしまったから。
そして、お金以外で出来た絆を、絆として強いものになる前に失ってしまったから。
間宮も、お金以外で出来た絆を感じられるようになるといいな。
「何も欲しがらない彼を繋ぎ止める術を僕は持たないんだ」
とか言いながら、日和に会いたくて会いたくて、夜中に何も贈る物も持たずに日和に会いに行ったり、復学して寮に入った日和に会いに行く間宮が可愛いです。
そんな間宮だから、日和は贈り物なんか貰わなくても、幸せになれたり絆を感じたりする事ができるのにね。
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